山へ免許を取りに行く①
34歳無職が山形へ免許合宿に行きました、の話をします。
前職場を雇い止めで退職し、失業保険を貰いながらしばらく部屋に引きこもっていたら、メンタルがどんどん澱んできました。
昼過ぎに起きて、完全栄養食の泥(Huel®︎)を啜り、完全栄養食のパン(BASE BREAD®︎)を齧る。
日中は漫画アプリで『刃牙』シリーズを延々と読み、何日かに一度、同人誌の発送で郵便局に行く。ついでに最寄りの王将に寄り、帰ってきて一度眠る。
昼寝をすると夜中に眠れないので、深夜に延々と飲酒しながら何キロも散歩をする。
疲れて帰ってきてようやく眠る。
また昼過ぎに目を覚ます。
仕事に忙殺されている間は、時間ができたら存分に短歌に打ち込めるぞ、と意気込んでいたのに、実際に暇になると短歌も作れず原稿も書けず、積んでいる漫画やアニメにも手が伸びない。
退職前が連勤地獄(過労死ライン越え)だったので、正直その反動もあったと思います。
これはかなり良くない状態だというのは自分でも分かっているのですが、何もしていないのに何かするためのMPが全く回復しない、という状態がしばらく続きました。
MPゼロで、何故『刃牙』だけは読めたのか。
多分、格闘漫画は試合毎に短いスパンで盛り上がりが用意されているので、明確に脳の報酬系に効くから、ではないか。しかも、刃牙は一通り読んで展開を知っているから、ストーリー対する負荷がかからない。
ちなみに、以前同様の状態になった時に読み返したのは『オールラウンダー廻』でした。
格闘漫画と報酬系、についてはちゃんと調べずに雰囲気で書いてるけど、友達の本屋さんも不調の時は『ケンガンアシュラ』しか読めない、と言っていたので多少信憑性がある気がします。
ともかく、4月から5月にかけて、無職のヨシダは引き篭もり、泥を啜ってひたすら刃牙を読むだけの生物になっていました。
ひと月ほどで刃牙シリーズをあらかた読み終え、烈海王が異世界転生するスピンオフ(面白い)まで辿り着いたところで、ようやくこのままではいけない、何かせねば、と思えるようになってきました。
刃牙に終わりがあって良かった。
このまま部屋にいるといずれ朽ちて死ぬ。ので、まずは気分転換に遠出をすることにしました。
煮詰まったら旅行の計画を立てて出かける、というのは、働いていた頃から繰り返してきた習慣です。
長期の見通しが立たない状態でも、少し先の予定を立てられるだけで精神衛生に良い。
その上、旅程を立てている間も移動している間も、とりあえず目先のやらなければいけないこと/難易度の低いタスクが次々生まれるので、それに向き合っているうちは比較的元気に過ごせます。
ということで、5月から徐々に、岩手に鹿踊りを見に行ったり、大島に海を見に行ったり、御殿場から河口湖まで行く路線バスに乗ったりしてきました。
どこかに出かければとりあえず元気になる。
ならば、このままどこか遠くに長期間逗留すれば、精神状態もさらに回復するのでは。
転地療養だ、転地療養に行こう。
と思ったのですが、長期に渡り東京を離れるには、ハローワークの存在がネックになりました。
失業保険を受給するには、月に一度の認定日にハローワークに出向かなければなりません。受給にあたって元職場とのやり取りがごたごたしたこともあり、最寄りのハロワ(徒歩15分くらい)に行くのも精神的にかなりの負担でした。
この日ハロワに行かなければ、何もない日が三週間くらい確保できるのに…というスケジュールが立ったところで、認定日をずらすことを考えました。認定日は予めハロワから指定されているのですが、いくつかの条件で変更することができます。
変更理由の基準はそれなりに厳しくて、それぞれ何らかの証明書が必要になります。ただの旅行とか、仮病とか、勝手に親族を危篤にするとかは認められません。
色々調べてハロワの窓口で相談したところ、『就職のために教育訓練を受ける』場合でも、認定日の変更ができることがわかりました。
じゃあどこか遠くに出掛けて、ついでに教育訓練を受けてこよう。給付金も出るらしいし。
ここでようやく、『教育訓練給付制度を使って免許合宿に行く』という構想が固まりました。
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次回へ続く。
まだ仕事を辞める前、一番大変だった時期に作った短歌連作が載っています↓
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