ポケモンパンシールを集めていたあの頃



僕が小学校低学年の頃、ポケモンパンシールが大流行した。

たくさん集めることに必死になり、周りの友達も20.30枚持っているのは当たり前だった。


そもそもポケモンパンシールとは?

それは、その名の通りポケモンパンと呼ばれるパンにおまけとして付いてあるシールのことである。

あの大人気コンテンツ"ポケモン"のシールが付いてくる‼︎

そのおまけこそが子供心をくすぐってくるのだ。

ましてやポケモン!

小学生が食いつかないわけがない。

子供達からしたらあくまでシールがメインでパンが惰性である。


スーパーでパンを1つだけ選んでいいよと言われると真っ先にポケモンパンを選んでいた。

大体の物は1つ100円なのだが、中には200円を超える物もあった。

その200円超えのものにはポケモンパンシールが2枚付いてあるのだ!

だが、なかなか200円のパンを買ってもらえるようなことは無かった。



そして大流行した理由の1つ。


今はどうなのかは分からないが、当時はポケモンアニメの合間にCMがよく流れていたのだ。


ポケモン達が楽しそうにポケモンパンの宣伝をしている。


さらに追い討ちをかけるように


"抽選でポケモンパンシールホルダーが貰えるよ!"

シールをコレクションしていくことができるホルダーである。

このホルダーを持っていた者は神のような存在に思えた。

実際、僕の周りで持っているものは1人ぐらいしかいなかった。


それほど当時夢中になったポケモンパンシール。

僕のクラスでは、お気に入りのポケモンパンシールを下敷きに貼って集めていくというスタイルが定番だった。

休み時間になると皆んなでマイ下敷きの見せ合いをすることもあった。


しかし、そんな楽しみは突然奪われた。


当時の担任が下敷きにシールを貼ってくる事を禁止したのだった。

その理由は単純なもので、"書きにくいから"

ノートの下に挟んだ時にえんぴつの先がシールの凸凹に引っかかってしまうのだ。

たしかにそれは納得出来る…

だが納得できないことも1つあった。


たったそれだけのことなのに、めっっちゃくちゃ怒られた!

クラス全員の前に立たされて、「下敷きにポケモンパンシールを貼ってすみませんでした。」と1人ずつ謝罪会見させられた。

その中には、泣きながら謝っている奴もいた。

滝のように涙を流し、鼻水も床に垂れている。

ポケモンパンシールを下敷きに貼っただけで。

某号泣会見のような光景である。

当時の我々はまだ小学一年生である。

小一にしては少しやりすぎじゃないか?

そこまで反省させるほどのことか?


本当、"集団いじめを行なっていました"ぐらいの説教を食らった。

ましてや、クラス全員の前で。


そんな思い出のポケモンパンシール。


ある日の学校帰りのこと。


家までの帰り道には、道沿いにドブ川が流れていた。

といってもそんな深いものではなく50センチほどの浅いものである。

水自体も10センチほどの浅さしかない小さなドブ川。

そのドブに沿って歩いていると、水の中にポケモンパンシールが落ちていることに気が付いた。

大人ならこんなもの見向きもしないだろう。だが、当時僕は小学2年生。

ポケモンパンシールを見逃さないわけがない。

興味津々でドブを覗いてみる。

するとそのシールはどうやら台紙が裏返った状態で落ちているではないか。


気になる、無性に気になる。

これは何のポケモンのシールなのだろう?

どうしても無視できないような状態であった。

確かめたい…これはなんのポケモンなんだ!  

子供のクソみたいな探究心が大いに現れ始める。


気づいたら僕はドブに沿って横になり、水の中のシールに向かって手を伸ばしていた。

何としてでもこのポケモンシールがどのポケモンかを確認したかった。


もうちょい、もうちょいで取れそう!

限界まで伸びる小2の腕。

あと、数センチ…

もうすぐそこまできている!

本当にあと一息だ!


するとその瞬間!


僕はそのポケモンパンシールを掴むことに成功した!


やったー!ポケモンパンシールゲットーー!

ドブに落ちていたシールを取れたことに僕はテンションが上がってしまった。

幸い、周りに人がいなかっただけマシと言えるだろう。

そしていよいよ、謎を解明することが出来る。

このシールは誰なのかを確認することができる!

さあ、これはどのポケモンなんだーーー⁇





と張り切って確認したところ、台紙のみだった。









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