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【第2回】講義予告

 何にも知らないくせに!

 喧嘩中の一言。うん、知らない。だから教えてほしい。いつもそう思う。わからないなら知るしかない。
知ろうとすること、知ろうとすることに応えること。どちらかが欠けたら、私たちは想像に走ってしまうのだ。

 なにものゼミ決定への白熱したミーティングが落ち着いた昼過ぎ、高知東生さんと田中紀子さんはやってきた。私たち学生と軽く自己紹介をしたあとに、まず一言。

 依存症ってなんだと思う?

 その質問に、出そうと思った言葉をぐうっと飲み込んでしまった。依存症ってなんだ。おずおずと口にした「やめたくてもやめられない、負のループに陥ること」という答えに、自分は小さな視点から見た依存症というものしか知らないんだなとため息が出た。

 最初は息抜きからはじまる。その息抜きに助けられる度合いによって、それは息抜きから依存症へと変わっていく。依存症は「息抜き」しなければドーパミンがでなくなる「病気」である。知っているつもりに過ぎなかった依存症。誰にでもこの「病気」にかかる可能性があるのだと、クーラーの冷たい風ではない何かに寒さを感じた。同時に、私たちが依存症を知るための一つ目の入り口の前にいると確信した。
 
 私たちは、想像で物事を知ることはできない。私たちが知るべきものは現実、リアルである。だからこそ、当事者である高知東生さんと田中紀子さんの語る言葉は重く、何も知らない私たちに依存症という病気をひとつひとつ理解させる。リアルはいつも想像を超える、なにものゼミが始まる前に体験してしまった。この体験をもっと多くの人にしてほしい。

 第二回なにものゼミ 「依存症」と「真実」
 依存症の当事者として、高知東生さんと田中紀子さんにご講演いただきます。

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