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芯の強い人間でありたい

芯の強い人間でありたい。

これは僕自身の心の中で眠っていて、でも疼いていて、だけど絶対に起きることはない。変わることのない信念だ。

それまで僕の中での「芯」は、強くて太い幹。縄文杉みたいなものをイメージしていたし、それ以上について考えようともしなかった。自分の中には分厚い一本の幹が眠っていると信じ込んでいた。

だけどそれは違うと教えてくれた人がいた。

"芯"というのは「弱くて、細い糸の集合体のようなもの。」小さくて、細々とした沢山の意思や経験を積み重ねていくことにより、自分の中で決して揺らぐことのない確固とした芯を作り上げる。積み上げによって築いたものだから少々なことでは揺らがない。時には、自己否定せざるを得ない出来事が起きて、砂のように零れ落ちていく瞬間もあるかもしれないが、また少しずつ自分の手で拾っていけばいい。

それを教えてくれた人。その人のことを一言で表すと、芸術的な人。芸術のげも知らないような僕がそんなことを語るのはすごく気が引けるし、烏滸がましいくらいだけどそのくらい衝撃的で素敵な考え方をできる人だった。一つの事実に対して、僕の何十倍も考え想像している人だった。そんな人になりたいとも思うし、近づきたいとも思った。これからはもっと一つの事実に対して執着してやろうと思っている。

これまでを振り返ってみると挫折だらけの人生だったと思う。正直振り返ってみてもキリがない。器用な人間ではなく、何かを始めるたびに壁にぶつかっていた。その度に悩み苦しんだ。でもどんなことに対しても不器用ながら向かい合った。ひとつずつ学んでいった。そんな経験の一つ一つが知らず知らずのうちに僕を強くしてくれたのだと思う。幼少期からボロボロになりながら自分自身を形成していったからこその自分がある。

きっとこれからも何かに立ち向かうたびに困難にぶつかり、挫折が待ち受けていると思う。でも僕は諦めることだけは絶対にしない。その経験のひとつひとつこそが新たな糸を作っていくことを知っているから。