本とKindle

上京してから紙の本を買うことが減った。1/10といっても過言ではない。そのくらいKindle愛好家になっている。

紙の本に不満があるわけではない。実家の自室には私の身長よりも大きな本棚があり、そこには懐かしい児童書や新書、小説、雑誌など多種多彩な本が詰まっている。ぎっしり詰まった本棚は、私を今の私へ導いてくれた先生であり、思い出いっぱいの宝物であり、私だけの壁紙である。

ふと目線を投げたら馴染みの本があり、読んだ当時の空気を感じる事ができる。壁いっぱいの本とはやはり魅力的だ。

それにも関わらずこうして電子書籍ユーザーになったのは、やはり家の狭さが関係してくる。

単純明快。大きな本棚を置く場所がないのだ。いいや正確に言えば場所はあるが、なるべく圧迫感を出したくない上に掃除の手間も最小限にしたい私は、本棚とその中に収まるべき本たちを優先しないことにした。

ミニマリストなんて言えば聞こえはいいが、私の根っこはズボラである。先生も宝箱も壁紙も、家の狭さと私のズボラには勝てなかったのだ。

もちろん、壁一面本棚にしても圧迫感がないほどの家に住むことができたその日には、今Kindleで購入したものをすべてを紙媒体で購入しなおしたい。子供ができたら子供部屋には本人と選んで素敵な本棚を置きたいものだ。などと夢を見ているが、果たしていつ叶うのか。

ロマンはお金でしか買えないのだとつくづく思う。