耳が痛いことば

言葉にも力は宿る。だから言葉は暴力にもなる。

時と場合、発声者や受け手の立場や状態、その他諸々の要素によって持つ意味を変える。受け取った方が傷つくことが多いが、発した方が傷つくこともある。毒にも癒やしにもなる言葉は、魔法といっても過言ではない。


「言われたくない言葉を教えて」と質問されたとしたら、果たしてどのくらいの人がいくつの言葉を挙げるのだろうか。

人とまあ無難な関係を築く上で大切なのは「その人・その場の地雷を踏まないこと」を掲げている私は、そのことに非常に興味があり、初対面の人と話す際はとても知りたい情報であり、意識することでもある。


では私は?なんと言われたら血を流すことなく致命傷を負ってしまうのだろう。単純な罵声や悪口はさほどダメージを負わない気がしている。たぶん相手にしない。痛いと思った瞬間カサブタになり、ぺりっと自然に落ちてしまう程度だろう。

無を発する無視は、そこそこのダメージが入りそうだが、すぐ環境を変えて元通りに振る舞えるだろう。そこそこのダメージ(毒) 環境を変えて(毒消し)のイメージなら伝わるだろうか。そんな程度だ。

環境を変えてもずっと引きずってしまう言葉。それはもうトラウマレベルの言葉。のろいの装備品のような、一度受けたら毒消しも何も効かず蝕む言葉。


ありがたいことに、常時かかりっぱなしの呪いを受けたことはおそらく(主観的には)無い。無いが、一定の状況で発動する呪いの言葉はある。

創作でも表現でも、なにかを形にする人には分かってもらえるのではないだろうか。「君らしさが見えない」という一言は。