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はじめてのサーフィン体験
4つ上に兄がいる。兄は今、製薬会社でMRとして働いており、4年目だ。新卒から転勤で仙台にいる。今回、僕と従弟が大学4年ということもあり、僕と従弟2人(もう一人は大学2年)の男3人で仙台弾丸旅行をすることになった。
LINEに兄から「2日目、サーフィン体験いれたよー」というメッセージが入った。兄は今、サーフィン中心の生活をしている。「私の家政夫ナギサさん」しかMRの情報はなかったので相当忙しいんじゃないかと思っていたが、兄いわく「あんな華やかじゃなし、忙しくもないよ」と言っていた。
5時起床8時までサーフィン→そのまま9時から2時まで営業→またサーフィンみたいな1日もあるらしい。
夜行バスで6時間くらいかけて仙台へ向かった。従弟(弟)が初夜行バスだったらしく「カイジのバスみたいだった」と言ってたのが面白かった。
6時に仙台に着くと、兄のマンションに3人で行った。兄は例にもれず9時までサーフィンをしていたためポストに鍵だけ入れてもらい、夜行バスで寝れなかった分、6時から8時くらいまで寝た。起きたあと、3人で部屋を物色した。サーフボード、サーフウェア、業務用パスタ、スーツ8着くらい、健康診断の紙、switch、医薬品の資料。どういう部屋?と思ったが、兄はそういう人間なのだ。
特に印象的だったのが玄関。張り紙があり、そこには「変な波に手をださない!」と書かれていた。
兄、帰宅。レンタカーで伊達政宗像を見に行ったが、工事中で黒いシートが被されていた。特に興味もなかったが一応等身大っぽいパネルの前で写真撮影。その後、次の日お世話になるサーフショップに行った。兄は常連らしく、オーナーの方と話していた。僕たち3人はサーフボードを見たりさわったりしながら2人の話を聞いていた。他のお客さんも男女各1人ずつくらい来店した。道具についての相談だったり、大会のエントリーについてだったり。でも共通して、目がキラキラしていた。オーナー含めみんな目が輝いていた。兄に聞くと、職業も年齢もサーフィン歴もバラバラらしい。
2日目、ついにサーフィン体験。6時起床。朝が早いのはきつかったが、朝を有効活用しているという事実が自己肯定感を上げた。最初に兄と兄のサーフィン友達(兄と同い年なのにゲストハウスを経営しており、そこに泊めてもらった。活気、エネルギーがあるのに胡散臭さのない、芯から「陽」の人だった。)のサーフィンを3人で見学した。
そして、ついに実践編。ブルーロックみたいな服を着て、サーフボードをもってビーチに向かった。サーフショップの方と兄が教える役だった。入念にストレッチをして、いざ。
結果、3時間が一瞬で過ぎた。楽しかった。「初めて」というブーストはやはり強く、成功も失敗も新鮮で何もかも楽しかった。1回しかしてないので、サーフィンの楽しさはまだ正確には言語化できない。でも楽しかった。
ただ、1日目のサーフショップあたりから僕は、あることをずっと考えていた。
兄やサーフショップに来た人たちにとっての「サーフィン」になり得るものが自分にはあるのかということだった。サーフィンをするために、わざわざ仙台に移住してきた人とも海で会った。(兄の知り合いだった。)
玄関にメモ書きをするくらい、移住するくらい熱中できるものが自分にはまだない。つくりたい。
兄が奢ってくれた牛タンを食べながら、そんなことを考えていた。
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