冷蔵庫の妖怪

18歳¦女子大生

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中毒受験

「てーをーうーごーかーすー!」 怒鳴り声が耳元に響く。とにかく手を動かさなければ。焦って書いた「6」が、「0」の形に似ている。 (あ、) そう思った時にはもう遅かった。 「何度言ったら分かんだよ、字は丁寧に書けって言ってんだろ」 息付く暇も無く舌打ちと溜息を私に浴びせると、父はトイレに席を立った。ホッと肩の力を抜く。私は未だに分からない。今回みたいに丁寧に書けと言う時もあれば、逆の事を言う時もあるのだ。字なんて汚くていいんだ、綺麗に丁寧に書いてるやつは落ちる、と。