青々と風に波打つ稲
水を貯えた棚田は
里を見下ろす美しい遠近
むせるほど暑い真昼を
燕が二羽 キッキと小気味良く
近づいては離れている
真紅の頬
瑠璃色を差した黒いつばさ
遠く広がる山々 梅雨の晴れ間を
小気味良く近づいては離れ
素晴らしいターンを決め
こちらに背を見せて上昇していく
長い旅路を経て
やっとたどり着いたんだと
長雨で淀んだ空気を斬るように
瑞々しく広がる青空を 昇っていく

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