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2023年8月に読んだ本まとめ

後2週間ほどで、17年待った(というか後半はほとんど諦めていた)百鬼夜行シリーズの最新刊『鵺の碑』が発売されます。電子書籍版が同日発売はされない様なので、物理本で購入しようかと思っています。単行本は1.2Kgの重さになるらしいので、それだけ重いとなると読むのが肉体的につらそうですね。

月初にその発表があったので、テンションが上がって『陰摩羅鬼の瑕』を再読し、現在、『鵺の碑』の前作にあたる『邪魅の雫』を読んでいます。

文芸書

浅倉 秋成著『俺ではない炎上』

『Another』の時にも書きましたが、この違和感が繋がる感じがミステリーの醍醐味だなぁと思うわけです。にしても、前半怖かったなぁ。殺人とまではいかんまでも語られて炎上するって可能性はありますよね。

個人的には、主人公が足の痛みで肥大化した自尊心を抑えるシーンが非常に良かったです。周りからの評価で人間は自尊心を持ったり失ったりするわけですが、あまりに周りからもてはやされると自分を自分以上の何かしらと勘違いしてしまう。そこで、痛みから自分を取り戻すってのはなんかリアルでよいですよね。

京極 夏彦著『陰摩羅鬼の瑕』

切ないなぁ。。。
この筋でうまくまとまるんかいな?と思いながら読んでましたが、そのちょっと無茶な流れに説得力を持たせて、最後にはあの部屋にいた人たちと同じような気分に読者がさせられるんだからすごいよね。

ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』

縦横に広いストーリーも魅力的なんだけど、個人的には宇宙船でガニメデに向かうシーンや、ガニメデから木星を仰ぐシーンがお気に入りです。こういった日常からめちゃくちゃ目線を離させるのがSFの魅力なんじゃないかと思ったりします。

ミステリ的な要素も魅力だとは思うのですが、肝となる部分が中盤で何となく読めてしまったのが残念でした。

以下の記事にSF小説が好きな理由などを言語化してみました。

実用書

橘 玲著『世界はなぜ地獄になるのか』

キャンセルカルチャーや、ネットの炎上の背景を紹介することによって、平穏な人生を歩む一助になることを目指して書かれた本(多分)

インターネットによって誰でも発信できるようになったことと誰しもが自分らしく生きられる状態を目指す過程で、意見の対立が表面化したってのが現代なんじゃないかと思います。

現代は過去よりも、誰もが自分らしき生きられるよい状態(天国)でありながら、ある種の息苦しさや、本書でも紹介されているパク・ヨンミ氏が感じたような狂気(地獄)をはらんでいるので、この現状を「ユーディストピア(天国かつ地獄)」を呼ぶことに何ら反対はないです。

しかし、個人的には良い(ユートピア)や、悪い(ディストピア)は相対的なものなんじゃないかと思うので、いつの時代でも世界は、それなりにユーディストピアの状況にあったのではないかと思ったりもします。

この本読んだ後に、書かれているようなトピックについてネットに考えを開陳する気には到底ならないので感想が難しいですな。

平澤 元気『麻雀・一番やさしい牌効率の教科書』

2回通して読んでみましたが、5章の問題は未だパッと答えられないです。どの章も丁寧な解説で読んでいて詰まることはないですが、実践の場でパッと出てくるようになるには、この本を読み返したり、牌譜の見直し等を繰り返す必要がありそうです。

先月

昨年


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