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2022年9月に読んだ本まとめ

今月は『塗仏の宴』がやはり印象に残りました。長すぎて殆どそれしか読んでないですしね。『マリアビートル』は読むたびに王子の質問にたいする鈴木の回答をまとめようとしているのですが、今回も力及ばずでした。

文芸書

京極 夏彦著『塗仏の宴』

ほぼ1カ月かかり、『塗仏の宴』を読み終わりました。昔はこれを徹夜して一気読みしてたんですから我がことながら驚きます。比較的長い小説なのですが、長いだけの価値はあります、最終巻辺りの盛り上がりは半端ではないので、ついつい有休の一日を読書に費やしてしまいました。

伊坂 幸太郎著『マリアビートル (角川文庫)』

表紙めっちゃいいですよね。映画化されたってことなので、10年振りに読んでみました。ブクログに10年前の感想も残ってるんですが、論理が飛躍してたり説明が足りてなかったりでグダグダですが、面白い本を読んで興奮しているという熱量があって嫌いじゃなかったです。本日作成した感想は以下。

ちょっとビターなところがありつつも、隙なくエンタテインメントしている良い小説。

王子の「なぜ人を殺してはいけないのか?」という質問に対する、
鈴木の回答は十分論理的でよい回答だと思った。
有益な回答ではなかったと王子は言っていたが、有益な回答が存在している質問でなかっただけなのでは?と思う。

鈴木の回答を私なりに解釈すると以下のような感じ、
世の中には他にも、「なぜ、人を殴ってはいけない?」や、「なぜ、人のものを取ってはいけない」等色々なやってはいけないことがあるわけで、それらに対して疑問を抱かないにもかかわらず、「殺人」についてだけ疑問を抱くことは矛盾している。

なので、王子が聞くべき質問は「何故、罪とされていることをしてはいけないのか?」になる。このように質問を変換することで「殺人」というセンセーショナルな内容を扱った問題から、冷静にとらえやすい問題になる。

上記で「罪」とシンプルに書かずに「罪とされている」と書いたのは、「罪」というのは共同体の中で定義されるものだからだ。現代の日本では許されないような犯罪も、古代のある国ではそうではなかったというのは枚挙に暇がないのではないだろうか。

共同体が主体で定義する罪というのは言い換えれば、共同体の発展を妨げると多くの構成員が考えている行為ともいえる。

よって、「何故、罪とされていることをしてはいけないのか?」という質問に対する答えは、その共同体の多くの構成員が発展を妨げる行為だと考えているからだと言える。

うーん、スパッと書くことができないなぁ。またそのうち挑戦したいと思います。

文芸書以外

田中 研之輔著
『今すぐ転職を考えていない人のための キャリア戦略』

転職や就職って、人生において非常に大事なイベントなんですが、それほど機会がないのでしっかりと論理立てて考えず進めてしまっているんじゃないかと思うんですよね。それを理論立てて挑めるようになる本です。

鈴木 祐著『科学的な適職』

上記同様、勘や雰囲気や偏った情報で決めている職業や企業を科学的な方法で決めようというアプローチが書かれている本です。以前橘玲氏の本で読んだ「弱いつながり」が転職などに有利に働くというのは、過去のことだという記載に驚きました。論文を追いかけるのは私には難しいので、せいぜい論文を下敷きに書かれているこういった本は定期的に読んで知識を更新しておきたいものです。

2022年8月


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