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私がSF小説を読む理由

先週初めてジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』を読みました。お薦めのSF小説を上げてもらうと大抵の人が上位に入れる作品なだけあって、縦横に広がるストーリーにサイエンス的な要素がうまく絡んで良い作品だと感じました。

特に、地球を遠く離れて宇宙船でガニメデに向かう心もとなさや寂寥感と、小さな宇宙船ともいえる宇宙服に身を包みガニメデから見上げる木星の様子が非常に私のツボにはまりました。

なんでこの2つのシーンがツボにはまったのかちょっと考えてみたのですが、どちらのシーンも日常生活では味わうことのできないスケールが描写されているという共通点があるようです。

SF以外の小説でも、読んでいる間は「私」から離れることができるので、それはそれで好きなのですが、SFは読んでいる間「地球」から離れることが出来ます。この地球外に意識を向けたり、逆に地球と言う惑星にへばりついている自分を俯瞰できるというのがSF小説ならではの楽しみなんじゃないかと思っています。しかも読み終わった後も少しの間その浮遊感というか、俯瞰視点みたいなのがちょっと続くんですよね。それがなかなか気持ちが良い。

もちろん、その小説に荒唐無稽な感じを受けたり、粗が目立ったりするとそういった感覚は得られないので、ただ宇宙の描写があればいいってわけじゃないのが難しいところですが、こういった感覚を得たいがために私は定期的にSF小説を読んでいるのかもしれないです。

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