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海外研修でお金を貯めて初めて車を買う

社会人になって少したって、南国とそれに引き続いてのイギリス研修が終わると、日本で支給されていた給料が貯まって少しお金に余裕ができたので車を買うことにしました。

多くの先輩たちが海外研修で貯まったお金で車を手に入れていたので、私も車があると便利だし、そういうものだと思ってワクワクしながら車を手に入れることにしました。

当時はホンダのシティやトヨタのスターレット、日産のマーチなど小型のハッチバックが流行っていましたが、なんとなくもっと「大人の雰囲気」のある落ち着いた車が欲しいと思っていました。

もちろんそんなに高い車は買えませんが、いわゆるノッチバックの4ドアセダン (トランクとキャビンが別れた3ボックスタイプ) の車を探しました。しかも、「カローラ」や「サニー」ではありきたりすぎてつまらない、などと生意気なことも考えていました。

1980年代、ホンダはイギリスのローバーグループと技術提携をしていて、ちょうどその頃ローバーとの共同開発である「コンチェルト」という車の販売を開始しました。

たった3ヶ月ほどの滞在でしたが、イギリス帰りで「イギリス」とか「ヨーロッパ」という言葉にかぶれていたのか、カタログに書かれていた「英国ローバーとの共同開発」とか「ヨーロピアンテイストただよう上質な移動空間」とか「なめらかで、しっとりとした走り」みたいな言葉にすっかり魅了されてしまいました。

当時住んでいた三鷹の社員寮からサンダル・自転車でホンダの販売店まで何度も通い、私と同年代ぐらいの担当セールスマンとあれやこれやといろいろ交渉しながら、1ヶ月ぐらいねばってなんとか予算内に収めてもらい購入を決意しました。すっかり顔なじみとなったその担当者とは、その後海外赴任となり車を手放すまでいろいろと大変お世話になりました。

当時はまだAT限定免許なども無く、どちらかというとマニュアル車がスタンダードでした。購入した車もマニュアル車でした。

赴任で手放す際にはAT車がかなりスタンダードになって来ていて、中古屋のおじさんに、「この手のセダンのマニュアル車は千葉あたりのお年寄りに人気なんだよねー」と言われたのが、なんか妙に具体的で、そしてなんだかちょっと納得がいかなかったのですが、実際のところ中古で売る頃には若者よりもお年寄りに人気があったようです。

乗り心地と言い、エンジンの性能と言い、初めての車で比較の対象がありませんでしたが、とても好きな車でした。ちょっとホンダっぽくない車でした。

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