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プラネタリウムと言えば渋谷。渋谷と言えばプラネタリウム。

子供の頃住んでいた埼玉県の鶴ヶ島町 (現在の鶴ヶ島市) から東京に出ようと思えば、たいてい東武東上線を利用して池袋に出るのが普通でした。

東京で買い物と言えば、すなわち池袋の東武デパートか西武デパートでの買い物と同義のようなものでした。

しかし、東京でもう一つ子供の頃の思い出に残る街は渋谷です。渋谷と言えば、デパートでも、レストランでもなく、思い出に残っているのはプラネタリウムです。

おそらく私が生まれて初めてプラネタリウムを見たのは、家族で行った、渋谷の五島プラネタリウムでしょう。

五島プラネタリウムは渋谷駅の宮益坂側の駅の向かいの東急文化会館にありました。

初めてここで見たプラネタリウムは感動的でした。ドームに映し出される太陽がだんだん西に傾き、西の空が夕焼けになり、ドームのスカイラインには東京タワーなど東京の街並みの影絵が浮かび上がり、やがて日が沈むと一番星が現れ、そして、いつの間にか空は満天の星空に変わります。

今でもプラネタリウムでは同様な演出があるかと思いますが、初めて見た鶴ヶ島ではありえないような満天の星空に、ため息が出るような気持ちでした。

以来、渋谷と言えば何となく「プラネタリウムの街」というイメージがあります。

残念ながら五島プラネタリウムは2001年3月に閉館してしまったそうです。プラネタリウムのドームの中央に備え付けられた大きな、独特の形をした投影機が懐かしいです。

そういえば、私たち家族をプラネタリウムに連れて来た父は、心地よいリクライニングシートに腰かけて、夜空が映し出されるとともに気持ちよさそうに眠り、夜空からだんだん明け方の光景になり、ナビゲーターさんの「おはようございます」の声で目覚めるという、お約束のようなプラネタリウムあるあるを繰り広げていました。それも今では懐かしい思い出です。

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