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フィルターバブルやエコーチェンバーの罠に落ちないように

ある時、ある商品をインターネットで検索し、値段を調べたり、最新機器の口コミを調べたりします。

すると、それ以来、私が開くインターネット上の様々なページの広告に、私が検索した商品やそれに類する商品の広告が恐ろしいほどたくさん掲載されるようになります。

私がインターネットで動画配信などを見ていると、その後、私が見ていた動画と似たような動画をたくさん推奨されるようになります。

私がSNSでよく見かける意見は、なんだかいつも似たような傾向を持つ意見が多いような気もします。

私たちが普段何気なくインターネット上で目にする情報は、誰もが同じように均等に目にする情報ではなく、私のそれまでの検索や閲覧傾向に沿った情報に左右され、情報が偏ってくるようです。

インターネットで私たち目にする情報がそのまま世間の関心の動向だったり、傾向だったりするわけではないということに注意する必要があると思います。

私がインターネットで見たり聞いたりしている情報が、自分の志向や意見と近いからと言って、それが世間の大勢を占めているわけではないかもしれない。自分が正しいと思っている意見をインターネット上で多く見かけるからと言って、自分の意見が正しく多くの人からも支持されているとは限らないかもしれない。そう認識しておくべきだと思います。

総務省が発表している令和5年版の情報通信白書を見てみました。

本編第1部 第2章 「データの流通・活用の現状と課題」には上記に関連した現状や課題に触れられています。特に第3節「インターネット上での偽・誤情報の拡散等」はまさに上で述べたような私の危惧を非常にわかりやすく指摘しています。

この中で、「フィルターバブル」と「エコーチェンバー」という言葉が出てきます。私も気を付けなければいけないとの自戒を込めて少し長くなりますが引用します。

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/pdf/n2300000.pdf

2 フィルターバブル、エコーチェンバー
人は「自らの見たいもの、信じたいものを信じる」という心理的特性を有しており、これは「確証バイアス(Confirmation bias)」と呼ばれる。プラットフォーム事業者は、利用者個人のクリック履歴など収集したデータを組み合わせて分析(プロファイリング)し、コンテンツのレコメンデーションやターゲティング広告等利用者が関心を持ちそうな情報を優先的に配信している。このようなプラットフォーム事業者のアルゴリズム機能によって、ユーザーは、インターネット上の膨大な情報・データの中から自身が求める情報を得ることができる。
一方、アルゴリズム機能で配信された情報を受け取り続けることにより、ユーザーは、自身の興味のある情報だけにしか触れなくなり、あたかも情報の膜につつまれたかのような「フィルターバブル」と呼ばれる状態となる傾向にある。このバブルの内側では、自身と似た考え・意見が多く集まり、反対のものは排除(フィルタリング)されるため、その存在そのものに気付きづらい。
また、SNS等で、自分と似た興味関心を持つユーザーが集まる場でコミュニケーションする結果、自分が発信した意見に似た意見が返ってきて、特定の意見や思想が増幅していく状態は「エコーチェンバー」と呼ばれ、何度も同じような意見を聞くことで、それが正しく、間違いのないものであると、より強く信じ込んでしまう傾向にある。
フィルターバブルやエコーチェンバーにより、インターネット上で集団分極化が発生しているとの指摘がある。意見や思想を極端化させた人々は考えが異なる他者を受け入れられず、話し合うことを拒否する傾向にある。フィルターバブルやエコーチェンバーによるインターネット上の意見・思想の偏りが社会の分断を誘引し、民主主義を危険にさらす可能性もありうる。

受け身に、深い考えも無くインターネットの情報の波に洗われ続けていると、いつしか「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」の罠に自分もはまってしまうかもしれません。気を付けたいと思います。


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