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第78回国連総会における岸田首相の一般討論演説

2023年9月19日、岸田首相はニューヨークで開かれている第78回国連総会で一般討論演説を行いました。

[NHK 2023年9月20日 11時59分]

演説の内容は首相官邸のページに掲載されています。

[首相官邸 令和5年9月19日]

「核軍縮は、被爆地広島出身の私のライフワークです。」と語る岸田首相ですが、この演説においても岸田首相は核兵器禁止条約には一言も触れることがありませんでした。

核兵器禁止条約は核保有国であるアメリカ合衆国、中国、イギリス、フランス、ロシア、インド、パキスタン、朝鮮民主主義人民共和国や、アメリカ合衆国の核の傘の下にあるカナダやドイツなどのNATO加盟国、アメリカ合衆国との軍事同盟を結ぶ日本・オーストラリア・大韓民国などが不参加です。しかしながら、2023年9月19日現在、核兵器禁止条約には93か国・地域が署名し、69か国・地域が批准しており、決して小さくはない潮流となっています。

[広島市 核兵器禁止条約の署名国・批准国一覧]

核兵器禁止条約では締約国による核兵器や核起爆装置の開発・実験・生産・製造・取得・専有・貯蔵の禁止を定めており、核兵器をこれ以上拡散させないためにこれほど強いコミットメントはないと感じます。核兵器禁止条約に参加する国々と地域の決意を私は強くリスペクトしたいです。

岸田首相は核保有国と非保有国の間を取り持ち、議論を促進させると言いながら、今回の演説でも核兵器不拡散条約についてのみ言及し、核禁止条約には全く触れない態度を貫いています。「核軍縮がライフワーク」という岸田首相の言葉の軽さを物語っているように感じます。

日本政府は唯一核兵器を戦争で使用された被爆国として、核兵器禁止条約をリスペクトし、核兵器禁止の世界的なリーダーとなってほしいと思います。

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