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核兵器禁止条約 第1回締約国会議

核のない世界を目指す核兵器禁止条約の第1回締約国会議が6月21日から3日間の日程を終えました。この会議の場に世界で唯一の被爆国である日本が、オブザーバーとしてさえも政府として足跡を残していないことが残念でなりません。

NATO加盟国のドイツ、オランダ、ノルウェーなどは条約批准をしない姿勢は貫きながらも、政府の代表が会議にオブザーバーとして出席し、演説もしています。もちろんこれらの国々は核兵器保有国が加盟する核拡散防止条約を重視すると明言しています。しかし、核兵器禁止に向けて集まった国々と同じ席について話し合うことの重要性も認めているのです。

核抑止は、どんな核保有国にも最後は核使用を思い止まらせる理性が働くとの暗黙の信頼がなければ成り立たないと思います。しかし、そのような理性がお互いに期待できるのであれば、初めから核を持たずに国家間の問題を解決できる道筋も見出せるのではないでしょうか?

理性が働くことが期待できないのであれば、核抑止は幻想でしかありません。核抑止は非常に矛盾に満ちた理論だと思います。

日本は今のところ、核兵器保有までには踏み込んでいませんが、同盟国の「核の傘」に入るということは核抑止に頼る選択をしているということです。

私が何よりも耐え難いのは、核兵器でこれほど苦しむ日本人を身近に、目の当たりにしてきたにもかかわらず、核抑止に頼る限り、「核は誰に対しても絶対に使用することはありません」とは絶対に宣言できないことです。

核のない世界を目指すなら、一刻も早く核兵器禁止条約の立場に立ってほしいと私は願っています。

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