棄権や白票に意味を持たせるとどうなるだろうか?
選挙の候補者に期待できない場合は世の中には白票を投じるべきだという意見もあるようです。
この記事をきっかけに、私の思うところを記して見ます。
私は、少なくとも現政権与党の政策に賛成できず期待や納得できないのであれば、「私たちの期待に応えるような政策に真剣に取り組むつもりが無いのなら政権にあぐらをかいて留まることはできないのだ」ということを示すためにも、私たちは少しでも期待値の高い野党 に (あるいはそれさえなければ単に対抗第一野党にでも) 投票すべきだと思います。
このような国民の投票傾向が明らかになれば、政権与党も、あるいは次期政権を担う政党も、その次の選挙で勝つためには、政権与党である間に国民の声を良く聴き、政策に真剣に取り組んでいかなければ政権与党として生き残れないという緊張感を生むことになるでしょう。
私は前回の参院選の投票日の note の記事の中で次のようなことをちょっと妄想的に書きました。
このシステムをもう少しまじめに考えるために、総務省が発表している前回の第26回参議院議員通常選挙速報結果の比例代表の結果をもとに、ざっくりとどのようなことが起きるのか試算してみました。
上記統計によると、投票者数や棄権者数は以下のようになります。
選挙当日の有権者数: 105,019,203
投票者数: 54,655,446
棄権者数: 50,363,757
投票総数: 54,653,744
有効投票数: 53,027,542
無効投票数: 1,626,202
無効投票数は何かしら投票して意思表示するつもりがあったと考えて、今回は棄権者数 (50,363,757) のみを再配分の対象としてみることにします。
下記テーブルは総務省発表の各政党の実際の得票数・得票率と、棄権者数分の票を自動的に、政権与党である自民・公明を除く各政党の実際の得票数の割合に応じて分配した場合の得票数と得票率を検討したものです。
この架空の得票数をもとに「ドント方式」で各政党が比例50議席のうち何議席獲得できるか見てみましょう。
まずは実際の議席獲得数です。(議席を獲得した政党だけ掲載しています。)
投票率が低い中で、自民党が圧勝しているように見えます。
つぎに、棄権者数分の票を自動的に、政権与党である自民・公明を除く各政党の実際の得票数の割合に応じて分配した場合の架空の議席獲得数を見てみます。(計算上議席を獲得できる政党のみ表示しています。)
第三位の政党まで非常に接戦となることがわかります。
これは政権与党が政権を維持するためには、投票率を上げる努力を自らしなければならないこと、そして国民に認められる政策を実行しなければいけないことを意味します。そしてかりに政権交代が起こっても、つぎの政権与党も同じような努力が求められるわけです。
いずれにしろ、政権にあぐらをかいているわけにはいかず、政党にとっては非常に緊張感が求められることになりそうです。また、有権者もほっとけばかってに現政権与党以外に自分の票が自動的に割り振られることになるわけで、強い意思をもって投票しようという意識に結び付くかもしれません。
このシステムの良し悪しは別として、私たち国民みんなが投票をする、白票を投じないで現政権に不満があれば違う政党に投票する、このような投票行動は、与党にも野党にも良い意味で刺激を与えるのではないでしょうか?
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