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自分を励ます言葉。他人を労わる言葉。

会社員になって学んだことの一つに、「言葉はときに非常に強い力を持つ」ということがあります。

会話の中でももちろんそうですが、メールでもショートメッセージでも普段何気なくやり取りする言葉で、ときに相手を深く傷つけたり悲しませたり動揺させたりすることがあるということです。

そのことに気がついてから、私はメールなどでずいぶん慎重に言葉を選ぶようになりました。それでもまだまだ足りないと感じています。

南国国民の上司も、特にメールなどでは言葉遣いに非常に気を使っていると言っていました。どこの国でも同じなのですね。

例えば「自己責任」という言葉。自分自身を鼓舞したり律したりするために自分に向けるならともかく、他人に向ける言葉としては非常に難しい、細心の注意をもってしてもなかなか使えない言葉だと思います。

「自己責任」を認めるということはある意味「努力は必ず報われるはず」とか「因果応報」という前提があるはずです。

私はその人を取り巻く環境のことをどこまで理解できているのでしょうか。その人は環境をどこまでコントロールできるのでしょうか。私はその人の限界や、その人にとっての努力の大きさや苦労を、どこまで知っているのでしょうか。

人の努力は最大限認めてあげたいし、失敗した時や成果が出なかった時に単純に「自己責任」という言葉で片付けたくはありません。「自己責任」というと「努力」や「チャレンジ精神」、さらには「正義感」みたいなものまで否定しかねないような、他人を断じるような、そんな傲慢さをときに感じてしまうのです。

人には努力する気持ちを忘れないで欲しいと思います。努力すれば成功する可能性は高まるし、自分を少しずつでも高めていくことができると思うからです。けれども努力の大切さを伝えるのに「自己責任」はなにか違うと感じてしまいます。

自分自身に向けては、自分を鼓舞するような、励ますような言葉を使いたい。
できれば人には、寄り添うような、労わるような言葉を使いたい。

そんな思いで言葉を選びたいと思ってきました。

人に向ける言葉は本当に難しいと思います。

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