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エリザベス2世死去で思うこと

エリザベス2世がいないイギリスというものがなかなかイメージできません。私の知っているイギリスにはいつもエリザベス2世がいらっしゃいましたから。

エリザベス2世はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)の君主であるとともに、英連邦王国 (Commonwealth realm: コモンウェルス・レルム) の君主(国王)あるいは元首となっていました。

私には英連邦王国 (Commonwealth realm) の概念がわかりにくいのですが、「英連邦王国」という1つの王国が存在するわけでもなければ、1つの連邦が存在するわけでもなく、あるいは、1つの国家や1つの国家連合が存在するわけでもなく、あくまでも個々の独立した主権国家を各々「Commonwealth realm」と呼び、2022年の時点で15か国が存在します。

青が現在の英連邦王国。赤がかつて英連邦王国であった国:ウィキペディア 2022/09/09, 「英連邦王国」より

イギリス以外の英連邦王国に属する国々は、かつてイギリスの植民地でしたが、現在ではそれぞれイギリスと対等な独立・主権国家となっています。したがって、英連邦王国に属する国々ではそれぞれエリザベス2世を、「カナダ国王」とか「ニュージーランド国王」とか「パプアニューギニア国王」として戴いていたということです。

イギリスと英連邦王国それぞれの君主はチャールズ3世に引き継がれました。時代が移り変わったという感じがします。

エリザベス2世の死去が世界で悲しまれているのだとしたら、それは、「君臨すれども統治せず」という立場で、王室の伝統を守りつつ、英連邦王国を含む世界の平和を祈願して人々に寄り添ってこられたからではないでしょうか?報道を見ていると威厳だけではなく親しみも感じられる人柄だったのだと思います。

ここ南国でもエリザベス2世の死去は大きなニュースとなり、半旗を掲げるとしています。

ご冥福をお祈りします。

そして、今までのようにこれからも、英連邦王国に属する国々でも、他の国々でも、平和を守り豊かな生活にしていくのに必要なことは、国民自身の努力です。どんなに心優しく敬愛できる君主を戴く国家でも、民主国家である限り、実際にその国の平和や安全を守り、発展させていくのは国民自身の正しい選択と行動が頼りです。

ぜひ、英連邦王国の国々は、エリザベス2世の意志を継いで、世界の平和と発展のためのイニシアチブを発揮してほしいと思います。

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