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国道6号とフタバスズキリュウ

この恐竜の化石が福島県いわき市の双葉層群から高校生によって発見されたというニュースは、なんとなく今でも覚えています。

発見されたのは1968年。私がまだ小学校に入る前の話です。そのころ私は恐竜図鑑が大好きで、良く眺めていました。恐竜なんて図鑑の中の話、化石の発見だって遠い外国の話だと思っていたのに、まさかこの日本で、しかも学生さんが発見するなんて。大人の人たちが教えてくれたこの恐竜化石発見の大ニュースは、私にとってかなりインパクトがありました。

「福島県の双葉」という地名はこの時私の記憶の中にしっかりと刻み込まれました。

社会人になってからしばらくして、国道6号 (陸前浜街道) を延々と北上しながら大学時代に卒論で地質調査をおこなった福島県相馬市、宮城県丸森町を久しぶりに訪ねたことがあります。

その時、初めてフタバスズキリュウが発見された場所の近くを通りました。それより以前に、私は大学の授業の一環で、すでに別の恐竜化石の産地である群馬県神流町を訪れていましたが、やはり子供の頃私の心に大きなインパクトを残した「福島県のフタバスズキリュウ」の故郷は、私にとってあのワクワクを思い出させるところでした。

そしてもうひとつ、国道6号を通りながら感じたのは、「この道は原子力の街道である」ということです。もちろん、その時、1999年の東海村JOC臨界事故や2011年の福島第一原子力発電所の事故が起こるなんて思ってもいませんでしたが、原子力発電所の近くを通る際にはどことなく物々しさを感じていました。

私の卒論のフィールド付近も含め、この街道沿いは津波による大変な被害を受けてしまいました。あののどかで美しい風景が心に残っています。復興がさらに進むことを願っています。


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