コンセントは左右の穴の長さが違う!? この理由を解説!
私たちは日々の暮らしで電化製品に囲まれています。いま使っているスマホやタブレットのほか、テレビやPC、冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、ドライヤー、アイロンなど、電気を使用する身の回りのものは枚挙にいとまがありません。
電化製品を使うとき、充電式のもの以外はコンセントにプラグを差し、そこから電力の供給を受けて動かします。したがって、いろいろな電化製品が使えるように、家や施設など建物のなかには、多くのコンセントがあります。
左の穴が8ミリほど長い
いつも使っているこのコンセント。縦長の細長い穴が左右に2つ並んでいる見た目は、もはや見慣れたものですが、よーく見るといままで知らなかった事実が見えてきます。
それは、2本の穴の長さが違うこと。
今ここで、近くにあるコンセントの穴を見ていただければわかると思います。顔を近づけてよーく見てみると、右側に比べて左側の穴のほうが少し長いのがわかります。その差はわずか8ミリ程度といったところでしょうか。
では、いったいなぜ左右で違う長さになっているのでしょうか。
左の穴がアースになる
穴の長さが違うのは、ズバリ左右の穴で役割が異なっているためです。
コンセントにプラグを差し込んだとき、電気は右の穴から供給されて電化製品に届きます。そして電化製品の内部の回路を一通り回ったあと、プラグから左の穴へ帰ってゆくのです。
この左の穴はアースと呼ばれます。トラブル的に高圧電流が流れて込んでしまったときに、その電気を外へ逃がす役割を担うものです。これがあるおかげで電化製品が壊れたり、火事になったり済んでいるのです。
プラグの向きにも左右はあるの?
右の短い穴が電力の供給、左の長い穴がアースと役割が違っていることがわかりましたが、ここでひとつ気になることがあります。
それは、差し込むプラグの向きにも違いがあるのか、ということです。いままで何にも気にせずただ差していました。左右の穴の役割なんて知らなかったのですから。
もしかしたら、正しくない差し方をしていたかも?一歩間違えれば火事?と心配になってしまいます。
しかし、過度に心配する必要はありません。
ほとんどの電化製品では、プラグの向きは関係ないのです。2本あるプラグの爪を左右どちらに差しても大丈夫ということですね。(火事については、埃が溜まって引火するという心配もありますが…それは別の問題です)
AV機器にはプラグの向きがある
ほとんどの電化製品のプラグはどちら向きに差しても大丈夫ですが、じつはAV機器だけ注意が必要です。
AV機器の電源コードでは、片方がアース側と決まっていることがあります。それはなぜでしょうか。
じつはAV機器の場合、アース側を正しい位置に差し込むことによって、電気的なノイズをアースから逃がすことができるのです。
音楽を聴くときは、正しい向きであれば音に立体感や透明感が出ます。映像の場合は画質が良くなったり、ネット回線がつながっている場合は通信速度が上がるなどの場合もあるそうです。
つまり、正しい向きで差さなければならないわけではなく、正しい位置で差したほうがより良い動作環境になるというわけですね。
アース側の見分け方
では、どうやって正しいプラグの向きを見分ければいいのでしょうか。
これはメーカーによってさまざまな表示があります。
もっともわかりやすいのが、電源コードに書いてあるパターンです。コードに白い線が入っていたり、白い文字で何か書かれている場合、そちらがアース側ということになります。
ほかには、プラグにアースの表示がある場合もあります。プラグの片方に三角形のマークが浮き彫りになっていたら、そちらがアース側になります。またプラグの差しこむ面に、「S」という印があったり、PSEマークがあったりすれば、アース側を表しているようです。
AV機器をご使用の際は、是非一度プラグの向きを確認していただければ、より良い動作環境になるかもしれません。
参考資料:
『「見るだけ」で楽しい!「ビジュアル雑学」の本』博学面白倶楽部(三笠書房)
Ⓒオモシロなんでも雑学編集部
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