カエルをよけようとがんばっていた
小学生の頃、そこそこの田舎に住んでいた。
住宅街だったが、田んぼも多かった。
ある時期になると、指の先程しかない小さな小さなカエルが、たくさん田んぼから道路に出てきていた。
自転車通学で、田んぼの間の道を通らなければならなかった私は、一生懸命カエルを避けながら自転車をノロノロと漕いでいた。
カエルは別に好きではない。
けど、こんなちっさなカエルを轢いてしまわないように、子どもながら一生懸命。
でも大人になってから思った。
あれだけ一生懸命でも、避けられていたのは前輪だけで、後輪でカエルを轢いていたんじゃないのかと。
前方しか見えていない私の努力は、背後で潰されていたのかもしれない。
車輪を確認した記憶はない。
潰されたカエルが引っ付いていたかどうかも。
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