製作物のあとがき【ネット上で聴けるもの編】

どうもGALOWと申します。
ラッパー的なことをやっています。
昔から本が好きでよく読みますが、本編はもちろん“あとがき”も楽しみの一つだったりします。
ずっと作者の書いた文章を読んでそこまで来ているわけですが、作者本人の人格がこちらに語りかけてくるのは“あとがき”が初めてで、なんか演劇の最後にキャストが素の表情で出てくる時みたいな面白さを感じるわけです。

そんなわけで僕も“あとがき”を書いてみたくなりました。
ひとまず今インターネット上のどこかで聴くことができる僕の作品について、どんな思いを込めたかったのか的なコメントをしていきます。
わりと自分が見返して楽しむために書いている節がありますが、お付き合いいただけますと幸いです。

・暴走(2023年1月頃)

たぶん聴けるなかでは1番古い曲です。名義もGARYOの頃ですね。
ミックスなども未熟で(今もそうですが)、粗が目立つもののその粗が良いほうに作用している気がします。
当時ハードテクノやトランスといった激しめのテクノにハマり始めたのもありこうした感じになりました。
早口ってやるのも聴くのも楽しいなと思ったのを覚えていて、今でもこういう構成の曲は常にやりたいです。なかなかできないけど。
「Yeah let's go wanna give a shout out」というリリックはSARUKANIのWE SAIKYOからのサンプリングです。Kajiさん愛してます。

・突然変異(2023年7月頃)

久しぶりに見返したけどジャケ絵めっちゃいいな。
“暴走”と“突然変異”の間に3、4曲ほど消えたトラックがあり、心理的にもスランプがあったり病んだりした期間の末に生まれました。
ジャンプで連載中の漫画「ルリドラゴン」にハマりまして(連載再開しましたね やった!)、そのテーマソングみたいな原料に自分の現状のエッセンスを散らしてみた感じです。
それまでの曲にあった力みみたいなものはこのへんで消えた気がします。
たしかcakewalkの不具合で一時的にreaperを使ってたときがこのあたりです。おかげで輪をかけてMIXが拙く、反響も少なかったので消してもいいんですがちょっとお気に入りなので残しています。

・Nighty Jam prod. うつろ(2023年11月頃)

作曲家のうつろさんが作ってくださったデモにラップをのせたものです。うつろさん素敵なピアノをありがとうございます。
深夜の街のもの寂しさ、またその中でちょっとした灯りや賑わいに感じる頼もしさ等々を入れようとしました。
これを作っていた9月頃、大阪でのイベントの帰りに夜行バスを逃しまして、お金もなかったのでなんばの街を散歩しながら夜を明かしたんです。図らずも曲を象徴するような一夜を過ごしてしまい不思議な気持ちになりましたね。
タイトルに迷いましたがうつろさんとの共作だよ、というのを要素として絶対に入れたかったので夜中のジャムセッションという意味でNighty Jamです。

・Overlap feat.345(2023年12月頃)

ジャケ絵を作る能力ばかりが上がっていってますね。
岐阜の先輩345さんが客演に入ってくださいました。ありがとうございます。
初めてのクラブは納屋橋RUSHでのMCバトルイベントで、これも345さんにお誘い頂いてのことでした。僕はビビりなので自分からは絶対に出なかったと思います。そういう面でもありがとうございます。
僕の人生に今後何があったとしても345さんのことを覚えていると思いますし、この曲の出発点もそうした思いです。
直接の関わりがない誰かが自分にすごい影響を与えることはあって、案外そうした経験の積み重なりが今を作っているのかもしれません。
反響少なかったのが心残りですがいつか必ずリベンジします。

・PORTALY(2024年12月頃)

懐かしい。なんかけっこう昔に感じます。
このころPCゲーム「ファミレスを享受せよ」にとんでもなくハマりました。
ハマりすぎて曲にしてしまったんです。つい出来心で。
心情としては「ファミレスを享受せよ」登場人物のガラスパンさんに寄っています。
時間の進まない永遠のファミレスに閉じ込められてしまうゲームなんですが、あまりにも雰囲気作りがしっかりしていて、「自分がここにいたらこう思っただろう」をリリックにしました。楽しかったです。
ぜひプレイしてみてください「ファミ享」。無料版ならなんとブラウザでプレイできます。ツェネズさんが好きです。

・dissolve(2024年1月頃)

dissolveは溶ける、溶かすといった意味の単語になります。
周囲の環境・人間がてきぱきと変わっていくなかで、自分だけが変わらない、変われないという焦りや虚しさを表現しようとしたと思います。
このころ昔の友人と会う機会があり、新しい環境にまっすぐ立ち向かう友人の姿に追いつきがたいものを感じたからかもしれません。
みんながきちんと区切りをつけて日々を過ごすなかで僕は時間を溶かし、次のステージに進めないままだなあとそういうアレです。ネガティブですね。
トラックにめっちゃ迷って、同じリリックで3種類ほど試した記憶があります。

・LUCA(2024年3月頃)

1番お気に入りです。まだまだですが上手にできたと思います。
僕自身音楽や物語に助けられて生きてきた人間で、こちらからも誰かに何か伝えられるとしたらこういう話がいいなと思っていたものを詰め込んでみています。
これは聴いたあなたへの、ひいてはいつかの自分への福音なんだぜ!って感じでルカです。かっこつけ。
メッセージ性を意識しすぎてラップの技術面がイマイチですね。反省点です。

・番外編 デイドリスクールのエントリー動画

X(旧Twitter)のメディア欄を遡って頂くとあると思います。
デイドリームスクールという18歳以下対象のMCバトルイベントがありまして、その出場枠を争う予選動画になります。
受かるか受からないかは結構どうでもよく、曲を作って動画を撮って公開、の流れがビートボクサーのワイルドカード作成みたいで楽しいんですね。今年もあったらエントリーしたいです。
こういう絶対に人目に触れる場所に作品を提出すると相当技術が上がる気がしていて、機会を見つけたらなるべく参加するようにしています。動画予選系のラップオーディションあったら教えてください。


いかがでしょうか。
個人的にはスキルアップや当時の思惑が垣間見え、楽しくまとめることができました。
今後も曲や作品を出したらバックグラウンドを解説する意味での“あとがき”をやってみたくなりましたね。誰が得するのかはわかりませんが。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
それではまたどこかで。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?