見出し画像

【遺跡探訪36】アンコールワットとトムの間の小さな遺跡たち(Prasat Bei etc.)

こんにちは。一週間前くらいから雨季に入ったシェムリアップ、昨夜も夜中に雨が降っていたようです。今回は、道順としては行きやすいにもかかわらず素通りしていた、アンコールワットとアンコールトムの間にいくつかある目立たない遺跡を周ってみました。

雨季の晴れ間は空気が澄んでいます

雨季の空気は綺麗です。遠くまではっきりと見えます。アンコールワット外濠はここ数日の雨で水嵩が増しているよう。

別の角度から外濠を見ます。

この前の日曜日に訪れ、完全に解体中だった「タ・プロム・ケル」、なんと3日間で基礎が出来上がっています。修復ってそんなに早いものなのですか?!
これからアンコールトムに行く時には(必ず前を通るので)修復過程を確認することにします!気になる!

本日のマップ

記載した寺院の名前はガイドブック(Focusing on the Angkor Temples)を参考にしました。

赤字の寺院を訪れました。


プノンバケン東寺(Rong Lmung Temple)

GoogleマップにはPrasat Romg Ramong と書いてあります。クメール語のアルファベット表記が統一されていないことで、混乱しますね。RとLの混同もあり、日本人としては親近感が湧きます。

多分、ここだ。と思ったところで入って行ったら正解でした。

この先でした。

石碑に年代が書いてありません。

道と逆方向の、東が正式な入り口のようです。裏までまわらないと全体像が見えないので全然目立たず、道から入ってくる人がいないようです。

ちょっと離れたところにリンガの台座?がありました。

床に置いてあるのはリンテルかもしれません。風化してしまっています。

何か台座がちょっと高くなったところにもあります。この丘は蟻塚かもしれません。

蟻塚前より。横線がたくさん入って、シャープでかっこいいな。カンボジアのローカルアパートは、天井と壁が繋がるところに装飾があることが多く、あれはフランス風だと思っていましたが、もしかして原型はこっちなのかもしれません。

内部に入ってみました。台座の基礎だけ残っています。

柱の基礎の跡が、なんと45度程度斜めになっています。初めて見ました。

元々どんな形だったのでしょう?レンガの跡がかっこいいです。
今日は天気がいいため、どんな写真も雰囲気良く撮れます。腕が上がっちゃったのかと思います。

蟻塚かと思いましたが、横に回り込むと、これはもしかしてレンガ積み…?

あら、レンガですね、これは。

遠くから見ても、シュッとしてシャープでかっこいいです。このプノンバケン東寺は。

さようなら〜

自転車のグループが颯爽と通り過ぎて、南大門方向へ行きました。

南大門は行かず、南大門手前で左に入ります。

本当に天気が良くて見える景色が美しいです。

トゥモー・バイ・カエク

こちらはガイドブックにも少し情報がありました。トゥモー・バイ・カエクはいくつかのレンガでできた祠堂のグループだそうです。年代はわかっておらず、1945年にモーリス・グレイズにより修復。

ユネスコ石碑にも年代が書かれていません。

ナンディンがいます。我が家の犬が同じような姿勢をするので、ナンディンはいつも気になるのですが、トゥモーバイカエクのナンディンはかなり風化していました。

二基の祠堂があります。あまり残っていません。

ふとアンコール・トムの城壁を見ると、さっきの自転車グループが城壁の上を走っていました。そのための自転車だったのか…絶対楽しいはず!!

バクセイ・チャムクロンが見えます。
ここに登った時は、あまりに森が深すぎて、落ちても誰も気づいてくれないんだろうな、と思っていました。しかし、プノンバケン(南)からもトゥモーバイカエク(北)からもバッチリ見えていることに気づきました。

バクセイチャムクロンに登った時の記事はこちら↓

完全に背景に同化していますが、緑色の制服を着たアンコール遺跡お掃除隊の方が、輪になって朝食を食べています。

本当はこの門のリンテルをじっくり見たかったのですが、お掃除の方がくつろいでいたので失礼しました。

プラサット・バイ(3つの寺院)

なんとも安直な名前です(笑)バイはクメール語で3、三つの祠堂があるお寺です。

プラサットバイは建立時期が分かっているようです。10世紀だそう。良く似ている、プラサットクラヴァンと同じ時代です。

碑文が無いために、祠堂は未完成である、ということ以外は分からない、とガイドブックに書いてあります。「分からないことがある」というのは想像力を掻き立てられて、素敵なことです。

北の祠堂は、リンテルが制作途中で終わっています。
中央と南の祠堂は、リンテルがあります

近寄ってみると、階段の蹴上が非常に高いことに気づきます。他の遺跡もそうなのですが、人が上り下りする高さではありません。

ガイドブックを置いてみました。蹴上が多分40cmくらいあります。

中央祠堂のリンテル。修復後のものであるかもしれませんが、美しいです。

プラサットバイの裏に来ました。船が見えます。

ああっ!これが話に聞いた、環濠を渡りプラサットチュルンまで行ける船ですね!!船着場はここにありました。

さらに奥に進むと、プノンバケンの北門があります。現在では入ることができないようです。

何度も言いますが、今日は本当に天気に恵まれて空気が澄んでいて綺麗です。ありがたいことだなと思います。

プノンバケン北寺

今日訪れる最後の遺跡です。こちらはユネスコ石碑もなく、ガイドブックには「森の奥にトゥモーバイカエクと似たレンガの遺跡があります」と2行のみ書いてありました。

基礎部分しかありませんが、最初に行ったプノンバケン東寺に似ている感じもします。

天気が良いせいで、何でもないこんな基礎だけの写真も素敵に撮れます(笑)

何かの像。原型がわからないくらい朽ちています。
今回のお寺は、特に彫刻がすごいとかレリーフがすごいとかは無いのですが、森の中を歩いて小さな遺跡を発見し、建立当時を想像する喜びがありました。これもまた楽しいです。

森の中を南大門方面へ帰ります。

掃除する人も絵になります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?