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【遺跡探訪64】バッタンバン、ワットバナンからの初日の出(Wat Banan 10世紀)

年末年始をバッタンバンで過ごし、プノンバナンの山頂で初日の出を見ることができました。昨年、2年前のアンコールワットに続き、3年連続で元旦に遺跡を訪れています。


シソポンからバッタンバンへ

シェムリアップからバッタンバンまでは直線距離ではそう遠くないのですが、道がないため、一旦タイに近い街のシソポンまで出てから南下します。今回はタクシーを利用しました。

シソポン、穏やかな街でした。開発が進んでいないからか、フランス式の長屋が残り、普通に使われていました。確か10年くらい前の地球の歩き方には「危険だから行ってはいけない」と書いてあって怖いイメージがありました。が、今ではセブンイレブンもアマゾンコーヒーもあります。

年越しで大騒ぎのシェムリアップを避けてバッタンバンに来たつもりでしたが、なんとホテルの通りの突き当たりが年越しライブ会場でした…ベットサイドテーブルに耳栓が置いてありました。

宴の後(カウントダウンの片付けから)

1月1日の朝5:50頃にホテルを出て、トゥクトゥクで街を抜けました。

ライブ会場近くのフードコート後片付け
庁舎街近くのフードフェスの後片付け

一本道をひたすら南下します。

空が明るくなってきました。トゥクトゥクは結構飛ばすので、空の写真がぶれてしまいました。

6:40amに到着。誰もいませんでした。

これを登るのか

ナーガはシェムリアップ周辺の遺跡とちょっと違います。ちょっと丸みを帯びていて可愛く、上に(多分)ガルーダが乗っています。

350段の階段を一直線に登ります
100ドルと書いてあるので、お布施かもしれません。去年行った伏見稲荷神社の鳥居を思い出します。
だいぶ登りました
最後の傾斜がきつい
登り切った!と思ったらまだ100段くらいありました。

350段の階段の上に

ほとんど休む場所もなく、350段を一気に登り切ると、狭い山頂に肩を寄せ合うように祠堂が5基ありました。上から見ると十字になっています。

Wikipediaによると、「11世紀(10世紀説もあり)にヒンドゥー教寺院として建立されたものの、残っている彫刻は仏教のものであり、12世紀後半にジャヤヴァルマン7世の指示で再建されたのでは」とのことです。

デヴァターの顔が略奪されてしまった

プリヤカーンのように廃仏運動で仏教彫刻が壊された例もありますが、このデヴァターの顔の削り取られた跡はかなり最近のような気がします。1970-80年代の混乱期ではないかと思いました。

残っているデヴァターの顔は、かなり風化していたので、状態の良いものから略奪されてしまったと考えると胸が締め付けられます。

絵馬サボテン

遺跡にサボテンの組み合わせは初めて見たのですが、このサボテンの一枚一枚の葉に、人の名前や文が書かれています。

見た目は全然違いますが、絵馬の感覚ではないかと思いました。遠い国で形も
違う寺院なのに似た感覚(ナーガの欄干と鳥居奉納、サボテンと絵馬)を持っていることに驚き、そして懐かしささえ感じました。

タ・ソム寺院の北門に近いです
中央祠堂では現代の仏像が祀られていました。

ご来光&初日の出

カンボジア人は日の出を見る習慣はないため、そしてそもそも正月は4月のため、この時間の山頂は誰もいませんでした。振り返るときれいな日の出です。

見晴台などもなく、かなり登った割には景色が望めませんでした。だからこそ太陽が一層際立ちました。
実は上部の彫刻が結構きれいなのですが、遠すぎて肉眼ではあまり見えません。
プルメリアの花。クメール語だとチャンペイ
長ーい階段を降ります
入れ替わりで参拝客が増え始めました。
麓にも祠が一つ
もやで霞む山麓の湖
ドナドナ状態の牛が前を走っていました。

出発時23度、復路26度で気温はちょうど良かったです。ワットバナンはアンコール遺跡のような精巧な彫刻や建築手法はありませんでしたが、アンコールからちょっと離れた位置での遺跡をアンコール遺跡と比べながら見ることができて面白かったです。

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