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【遺跡探訪24】探検家の気持ちになれるプレア・ピトゥ Preah Pitu(12、13世紀?)

バイヨン周辺のごちゃごちゃした遺跡は概ね訪れたと思っていましたが、よく地図を見ると、北東のプレア・ピトゥに行っていませんでした。ガイドブックを見ても「研究が進んでおらず、まだよくわかっていない」という、わくわくするようなプレア・ピトゥ。建立時期も特定されていないようです。

本日のマップ

往路:赤線、復路:青線

1.市街地からアンコールワットに向けて北上。アンコールワット西側を抜けてアンコールトム 南大門へ。
2.バイヨンに向かって北上。バイヨンの東を周ってさらに北上。
3.ライ王のテラスの道路を挟んだ向かいにローカルの食堂とお土産やさんがたくさんあり、その裏がプレア・ピトゥ寺院群です。カンボジアでは珍しく、このエリアのお土産屋さんは結構アグレッシブに売りに来ます。
4.(復路)アンコールトム西門はまだ修復中でしたが、地元の人は通っていたので一緒になって通りました。バスやトゥクトゥクは止められていました。地元っぽい人は通れるようです。
5.アンコールトムの外側から南下して市街地へ。

朝7:20出発しました。昨日の夕方に豪雨があったのでアンコールワットの外堀の水位が上がり、ゴミも浮いていたようです。ボートで掃除をする人が見えました。

今朝は穏やか

先日のSEA Gamesの開会式の名残か、または4月のクメール正月の準備か、アンコールワット前はデコレーションされていました。


アンコールトム 南大門前。昨日の大雨でしっとり濡れています。

超有名遺跡に囲まれた謎の遺跡

5つの寺院から成るプレア・ピトゥ

アンコール・トム内のバイヨンの少し先にあるプレア・ピトゥ寺院群は、なぜか名前がアルファベットです。Temple Tから入り、その奥にTemple U, Temple X,そして北にTemple VとTemple Y。

初めて聞いたときは、なんだそりゃと思ったのですが、下の写真のように石碑にはTemple TはKor Sak Temple、Temple XはTa Tuot Templeと書いてあるので、アルファベットは修復上の名前なのかもしれません。

プレア・ピトゥT

こちらにはKor Sak Templeと書いてあります。
 プレアピトゥTはかなり崩壊が進んでいます。
左がプレアピトゥT。
右には、踊り子が綱渡りをし、王が眺めたという言い伝えのある
プラサット・スゥル・プラットの最北端の塔
なんと、西向きに門があります。
西向きの寺院はアンコールワットとワットアトヴィアだけかと思っていました。
リンテルがごろごろ
西門を入ったところ
プレアピトゥTを東から

メインのプレア・ピトゥUは修復中

プレアピトゥUは、今回一番行きたかった寺院です。残念ながら修復中で完全に解体されていました。

Preah Pitu U
Date: 12th, 13th century?
Cult: Hindu
Best seen: (Late) afternoon.
Do not miss: The beautiful lintels

プレア・ピトゥ U
年代:12世紀あるいは13世紀?
宗教:ヒンドゥー教
ベストの時間帯:午後の遅い時間
おすすめ:美しいリンテル

KOICA(JICAの韓国版)による修復が行われていて、KOICAの職員さんに内部に入れるか聞いたところ、クレーンに注意さえすれば大丈夫ですよ、とのことでした。
基礎以外は完全に解体されていて、見たかったリンテルやペディメントの彫刻も無くなっていたので、どこかに持っていってしまったのかと思いましたが、裏で保管されています、と。

修復中で残念…と思いきや、頭上にあるはずのリンテルが目の前に

プレアピトゥUでの思わぬ幸運は、普通なら近くでみることができないペディメントとリンテルが地上に置かれていたことでした。

リンテルの上のペディメントのさらに上にあるUpper Pedimentと呼ばれる部分のようです。

今回は、この乳海攪拌のリンテルを見に来たのですが、まさかの地上に置いてありました。アンコールワットの壮大な乳海攪拌とも、ワット・プリア・エンコサイの漫画みたいな乳海攪拌とも違う、ちょうどいい大きさのリンテルです。

それぞれの破片に番号が振られています。
よくみるとデヴァターがいます。とんでもないスケールの立体パズルです。
遠くからでもわかるリンテル

意外に良かったプレア・ピトゥX

最後のプレアピトゥX。それぞれの寺院は小さいながらもプレア・ピトゥの敷地は広く、VとYは今回訪れませんでした。

プレア・ピトゥXは最初のTと同じく、ピラミッド状の基盤に中央祠堂が乗っているタイプの寺院でした。

Ta Tuot Templeと書かれています。こちらが正式名称でしょうか。

Tより整備されていて、修復が終わっているようだったので、登ってみました。

結構高い。登って良かった!

長い階段を登った先の美しい仏像のレリーフ

彫刻らしきものは外からは全然見えませんが、中央祠堂に入ると内側に仏像のレリーフを見ることができます。

これが本当に美しく、ピラミッドを登り切った達成感も相まって、探検家のような気持ちになれます。


中央祠堂の内部
お供えされていた花が散っていました
さて、降りますか
奥にはプレア・ピトゥYが見えます

観光客ゼロでした。穴場です

来る途中に前を通ったアンコールワットとバイヨンには、既に観光客が押し寄せていましたが、このプレア・ピトゥは最初から最後まで他に観光客がいませんでした。チケットコントロールの係員もいなかったので、観光客が来るとは思っていないのでしょうか。

プレア・ピトゥUの修復が終われば、静かな人気が出てくる遺跡かな?と思いました。その頃にXとUをまた見てみたいと思います。

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