【遺跡探訪24】探検家の気持ちになれるプレア・ピトゥ Preah Pitu(12、13世紀?)
バイヨン周辺のごちゃごちゃした遺跡は概ね訪れたと思っていましたが、よく地図を見ると、北東のプレア・ピトゥに行っていませんでした。ガイドブックを見ても「研究が進んでおらず、まだよくわかっていない」という、わくわくするようなプレア・ピトゥ。建立時期も特定されていないようです。
本日のマップ
朝7:20出発しました。昨日の夕方に豪雨があったのでアンコールワットの外堀の水位が上がり、ゴミも浮いていたようです。ボートで掃除をする人が見えました。
先日のSEA Gamesの開会式の名残か、または4月のクメール正月の準備か、アンコールワット前はデコレーションされていました。
超有名遺跡に囲まれた謎の遺跡
5つの寺院から成るプレア・ピトゥ
アンコール・トム内のバイヨンの少し先にあるプレア・ピトゥ寺院群は、なぜか名前がアルファベットです。Temple Tから入り、その奥にTemple U, Temple X,そして北にTemple VとTemple Y。
初めて聞いたときは、なんだそりゃと思ったのですが、下の写真のように石碑にはTemple TはKor Sak Temple、Temple XはTa Tuot Templeと書いてあるので、アルファベットは修復上の名前なのかもしれません。
プレア・ピトゥT
メインのプレア・ピトゥUは修復中
プレアピトゥUは、今回一番行きたかった寺院です。残念ながら修復中で完全に解体されていました。
KOICA(JICAの韓国版)による修復が行われていて、KOICAの職員さんに内部に入れるか聞いたところ、クレーンに注意さえすれば大丈夫ですよ、とのことでした。
基礎以外は完全に解体されていて、見たかったリンテルやペディメントの彫刻も無くなっていたので、どこかに持っていってしまったのかと思いましたが、裏で保管されています、と。
修復中で残念…と思いきや、頭上にあるはずのリンテルが目の前に
プレアピトゥUでの思わぬ幸運は、普通なら近くでみることができないペディメントとリンテルが地上に置かれていたことでした。
今回は、この乳海攪拌のリンテルを見に来たのですが、まさかの地上に置いてありました。アンコールワットの壮大な乳海攪拌とも、ワット・プリア・エンコサイの漫画みたいな乳海攪拌とも違う、ちょうどいい大きさのリンテルです。
意外に良かったプレア・ピトゥX
最後のプレアピトゥX。それぞれの寺院は小さいながらもプレア・ピトゥの敷地は広く、VとYは今回訪れませんでした。
プレア・ピトゥXは最初のTと同じく、ピラミッド状の基盤に中央祠堂が乗っているタイプの寺院でした。
Tより整備されていて、修復が終わっているようだったので、登ってみました。
長い階段を登った先の美しい仏像のレリーフ
彫刻らしきものは外からは全然見えませんが、中央祠堂に入ると内側に仏像のレリーフを見ることができます。
これが本当に美しく、ピラミッドを登り切った達成感も相まって、探検家のような気持ちになれます。
観光客ゼロでした。穴場です
来る途中に前を通ったアンコールワットとバイヨンには、既に観光客が押し寄せていましたが、このプレア・ピトゥは最初から最後まで他に観光客がいませんでした。チケットコントロールの係員もいなかったので、観光客が来るとは思っていないのでしょうか。
プレア・ピトゥUの修復が終われば、静かな人気が出てくる遺跡かな?と思いました。その頃にXとUをまた見てみたいと思います。
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