【遺跡探訪61】象の飼育場?クロル・ロメアス(Krol Romeas 12世紀後半)
ガイドブック(Focusing on the Angkor Temples)に以前から気になっていたページがありました。丸い壁と木があるだけの、Krol Romeasというものです。
動物の飼育場?儀式の場所?
改めてこのページを読んでみると、プリア・カーンの近くにKrol(飼育場)Romeas(サイ)と呼ばれる遺跡があり、地元の人が呼ぶ名前は「サイ」だが、実際は象が飼われていた場所ではないか、と書いてあります。
Wikipediaのページも無く、謎の多い遺跡のようです。
上智大学所蔵の論文で、このクロル・ロメアスに関する研究がありました。
アンコール遺跡群のうち、未解明の遺跡 (16ページ)
こちらを読むと、クロル・ロメアスからはあのジャヤヴァルマン7世像(プノンペン国立博物館蔵、穏やかな顔ですがお腹がちょっと出ている超有名像)が出土したそうで、単なる象の飼育場ではなかったのでは?とあります。
また仕切りの幅が大人の象の体ほどは大きくなく、アユタヤの例から考えて、子象を飼育し王が乗る象を選別する場所でなかったか?などと書いてあります。
いずれにしても、他の遺跡と建立の目的が全然違うようで、興味をそそられます。
本日のマップ
アンコールマラソンから一週間
先週の日曜日にアンコールマラソンのファンラン3kmを走り(歩き)、今日は同じルートをスクーターで走りました。完全に乾季になり、環濠が美しいです。
今日はアンコールトムの南大門もまあまあお客さんがいます。
バイヨンは実は中心がちょっと西寄りになっているのかな?と今日気づきました。
北大門へ。先日死者の門をじっくり見てから、他の門も気になり始めました。この門は好きな門ですが、それは左右の巨木によるものなのかもしれません。
難易度高いアクセス
北大門とプリヤ・カーンの間で分かりやすい場所なので、特に地図を見なくても大丈夫かなと思いましたが、近づいてきたところでGoogle Mapで遺跡に入る道を探しました。
あ、これかなと思いました。
ここには看板も石碑もなかったので、一応、先へと進んでいくと…
看板と石碑がある入り口がありました。
クロル・ロメアスと書いてあります。Late 12th Centuryなので、ジャヤヴァルマン7世の時代でしょうか。
しかし、遺跡に通じる道は冠水していて、どうやっても行くことは出来なさそうでした。
やっぱり戻ってさっきの道かなと思いました。
遺跡に通じていそうな道を入ります。
途中、2カ所で分かれ道がありましたが、Google Mapは圏外で使えませんでした。それっぽい方に進みます。
着きました。よかった。
勘が冴えたのか、一発で遺跡にたどり着きました。
思ったより広いです。
ガイドブックには東西に55m,南北に45mと書いてありました。実際に来てみるとかなり広いです。建立時には木は生えていなかったので、ずいぶん景色は違ったと思います。
3m程度ごとに仕切りがあり、そこに板のようなものがはめ込まれていたのではないかとのことですが、実際にはラテライトの壁しか残っていないため、分かりません。
彫刻などもなく、壁で楕円状に囲われただけの場所です。どうしてこんな場所にこのような壁が存在するのか、そしてどうしてあの有名なジャヤヴァルマン7世像がここにあったのか、考えるほど謎が深まり、そして心躍ります。
帰りは北大門を戻っても良かったのですが、せっかくなので大回りコースをのんびりと進みました。
タ・ソム遺跡の向かいのバライ(なのかな?人造湖だと思います)が非常に美しかったです。乾季の前半、最高!
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