ノイタミナ「School Food Punishment」
『ノイタミナ』(noitaminA) は、フジテレビほか同系列地上波一部局で放送されている日本の深夜アニメ放送枠名称である。
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ノイタミナのアニメの楽曲は何となく独特な雰囲気を纏っている。最近だとCö shu Nie(コシュニエ)、そして文字通りノイタミナアニメから生まれたEGOIST…どことなく現代的なエッセンスが強めの傾向にある気がする。
その中でも僕が特に好きなアニメである”東のエデン”の主題歌を多数担当していた「School Food Punishment」は特に尖っていた。
ファズギターみたいなキーボード
このバンド、一般的なロックバンドのようにリードギター担当がいない。今でこそゲスの極み乙女のようにギターボーカルがリードも弾くようなバンドもあるが、このバンドは印象的なフレーズや間奏ソロのほとんどをkey.蓮尾理之が担当している。
一般的なピアノの音も使うが彼は他のキーボーディストと違って、ファズをかけたような…ノイジーな音を頻繁に使う。まるで歪んだギターのような。おそらくワーミーなんかも多用してる。
キーボードというと「綺麗な音」「伴奏」のイメージが強いが、メタル以外の音楽でここまで主張してるバンドはメジャーなアーティストではあまりなかったんじゃなかろうか。っていうか他のバンドでこんな音を出したら怒られそう…
ただのクールなエレクトロバンドに留まらなかったのは彼の功績が大きいだろう。
唸りまくるベース
とにかくベースラインが動く。歌の裏でメロディやギターリフのような動きも平気でする。
変化が多い=偉いというわけではない。僕はどちらかというと四六時中動いてるベースラインはあんまり好きじゃなかったりする。これ歌の邪魔じゃね?って思うことも多々…
ただ、ba.山崎英明のベースは絶妙なところで”引”いている印象がある。歌を聴かせたいであろうサビ部分ではオクターブに徹しているし(代わりにkeyがリードギターのようなフレーズ!)keyが引っ込んだAメロ部分は動いてはいるがギターリフのようなフレーズだ。邪魔なわけではなかったりする。
ラルクのベースに影響を受けているらしいが…ぶっちゃけこっちの方が好k
強めの歌詞、”打ち込み”並みに忙しいドラム
ベース、キーボード共に大暴れのバンドだが、ドラムもこれでもかという手数で叩きまくる。 打ち込みか、と言いたくなるようなフレーズが多いがdr.比田井修が頑張って叩いているようだ。無機質と人間味のバランスをとっているのは案外彼なのかもしれない。
動きまくる楽器隊、ノイジーなキーボード…と楽器の主張が強いバンドなのにアニメのタイアップになってしまうのはVo/gt.内村友美のクリアな声と歌詞に出てくる印象的なフレーズのせいだろう。
「君にとって 間違いの定義を教えて」
「未来の根を切っても 構わない」
予測不能→ドラマティックな曲展開でラストスパートに意味深な歌詞が乗っかってくる。カオスな音の中からクリアな声で言葉が飛んでくるからこそ…そう、”飛び込んでくる”そんな感じ。
意味が理解できなくても、情念的に聞こえてしまうのだ。これを俗に”エモい”というらしい。
何しろ1曲の情報量が多いバンドだというのは御理解頂けたと思うのだが、すんなりと歌物として纏まっている理由は僕にはよくわからない。アレンジがとにかく非凡としか言うことが出来ない。
そんな貴重な音楽性のバンドではあったが、インディーズアルバム3枚とメジャーアルバム2枚を残して2012年には解散してしまった。残念ながら。
各メンバーレベルの高いプレイヤーでもあるので、各方面で活躍中だ。詳細はwikiでも眺めてほしい。
では。
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