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5/23は難病の日【みんなが安心して医療を受けられる医療費制度を】

私が難病daysの発信を始めて、
ちょうど3年が経ちました。

初めは
「特定医療費(指定難病)受給者証をもらっていて
 毎月上限額1万円の医療費を払っているのは、
 とても負担が重くてつらい」

「他県には難病見舞金などの
 助成金がもらえる制度があるが
 愛媛県にはそれがないので不公平だ」
と不満ばかり抱えながら情報発信していました。

しかし、みなさんの意見を聞いていくうちに、
自分はとても恵まれているんだなあ
ということに気がづきました。

私は「特定医療費(指定難病)受給者証」
の認定をいただいていますが
これも当たり前のことではありません。

同じ病名を診断されていても
重症度分類に該当しなかったため
認定をもらえない方も多くいらっしゃる
ということが分かりました。

そもそも
「指定難病」として国から指定されていない難病
の方もたくさんおられます。※1

その方々は長期に渡って療養が必要にもかかわらず、
健康な人と変わらない
3割負担の医療費を支払っているのです。

※1 難病の人は日本に700万人以上いる
難病者の社会参加参加白書|NPO法人両育わーるど (ryoiku.org)
https://ryoiku.org/report/thinkpossibility/
とされているが、「特定医療費(指定難病)受給者証」を取得している人は約103万人
(厚生労働省 令和2年度 衛生行政報告例 令和2年度末現在
https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/2022/03/koufu20211.pdf
  • 指定難病の認定を受けていても
    お子さんを育てておられるのに
    毎月の医療費が2万円かかる方。

  • どうしても働ける体調ではなく
    児童手当を自身の医療費に充てるしかない方。

  • 毎月の医療費が4万円にもなる方。

  • 小児特定慢性疾病から外れて
    二十歳以降は毎月15万円の医療費
    払わなければならない方。

  • シングルマザーで難病になり
    どうしても生活保護にならざるを得なくなり今年、受験生のお子さんを大学へ進学させられなくなってしまった方。

この3年間で、たくさんの方から
苦しみのお声をうかがってまいりました。

今の難病医療費制度は
難病になってしまうと貧困へ向かわざるを得ない制度
であると感じています。

また、「特定医療費(指定難病)受給者症」で
医療費の助成を受けている方は
世帯収入に応じた応能負担※2であるため
「なんとかなっている」という状況ではあります。

※2 令和4年度 患者さんの自己負担について「医療費における自己負担上限額(月額)」
指定難病患者への医療費助成制度のご案内 – 難病情報センター (nanbyou.or.jp)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460#wariai
一般のサラリーマン世帯ではC1・C2の区分になることが多い。

しかし
実家暮らしの難病当事者の親御さまや
難病当事者の配偶者さまに
その医療費の負担が重くのしかかるケースが
多くあります。

中には難病を抱えながら
フルタイムで働いておられる方もいらっしゃいますが
難病の方はフルタイムで働くことが
難しい方も多くいらっしゃいます。


そういう方は、家族の所得に
頼らざるを得ない状況であることが多いのです。

「なんとかなっている」とはいえ
働けていない難病当事者としては
「親に申し訳ない」ですとか
「配偶者に申し訳ない」ですとか
そういう精神的な負い目を
ご家族に対して負っている現状があるんです。

ですから、どうしても難病当事者は、
「ありがとう」よりも「ごめんね」
ご家族に言いがちなんです。

何も悪いことをしていないのに……

「特定医療費(指定難病)受給者証」で
医療費の助成を受けている方が
毎月2万円、2万円、2万円と
コンスタントに医療費を支払っていくのは
どんな気持ちでしょうか?

そのお金は本当は
お子さんのために使いたかったですとか、
自分のために使いたかったですとか、
家族で何回外食ができただろう?ですとか。
そんな気持ちになることもあると思うんです。

私の医療費のせいで家族に我慢させてるかも……

ありがたい制度だとは思うのです。
少なくとも私はとても感謝しています。
自分が運よく助成の対象であったことは、
とてもラッキーなことだと思います。

しかし例えば
30歳から60歳までコンスタントに
それだけ払っていくと仮定すると
総額で720万円ということになります。
その計算をしてみて、
絶望的な気持ちになる方も少なくありません。

「特定医療費(指定難病)受給者証」
の認定を受けられなく
毎月4万円等の
高額な医療費を支払っている方から見れば
指定難病に認定されている方のことを
羨ましく思うでしょう。

難病医療費が
そういったフラットではない制度であるため
インターネット上に不要ないさかいが
起きてしまう場面も少なくありません。

「あなたの方が状況が恵まれているんだから
 辛いなんて言うのはおかしい」


と言われた指定難病当事者の方も
いらっしゃると聞きました。

難病の方には
就労や育児などたくさんの課題が存在しています。

その一つ一つを解決していくためには
「みんなが一丸となって声を上げ続け」なければ
この国の制度を作っている方々に
届かないと思うんです。

同じ思いをする人同士、一致団結して声を上げ続けていきたい

難病当事者のみんなの思いが一つとなり
不要ないさかいのなくなる
そんな医療費制度になることを願ってやみません。

患者数が多いですとか
診断基準が明確ではないですとか
そういった理由で指定難病の認定から
外されている方々※3も
みんな無理なく通院ができるような
医療費制度を切に希望します。

※3 指定難病の6要件
1.発病の機構が明らかでない
2.治療方法が確立していない
3.希少な疾病である
4.長期の療養を必要とする
5.患者さんの数が日本において一定の人数に達していない
6.客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が確立している
 
このうちリウマチ患者さん(患者数60万人以上)は「5.患者さんの数が日本において一定の人数に達していない」に該当しないため指定難病の要件から外れていると言われている。
また、慢性疲労症候群(CFS)/筋痛性脳脊髄炎(ME)の患者さんは「6.客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が確立している」に該当しないため、指定難病の要件から外れていると言われている。
 

希少難病の方は専門医が近くにいないために、
県外まで新幹線で通院される方もおられます。
また、日本は島国ですので、
離島から泊りがけ
毎月通院されている方もおられます。
そういった方は、
交通費や宿泊費の負担も大きいのです。

日本に1人しかいない専門医のところへ通う難病患者さんも……


国の制度にかかわる方へお願いです。
難病の方が無理なく医療を受けられるように
国家のお財布を難病の方のために
拡げていただけませんでしょうか?

これから医療が発展して、ますます
「命は助かったけれど
 なかなか働けないし医療費もかかる」
と絶望する人が増えていってしまう
のではないかと思います。

医師の方々が患者の命を救うために
日々研究を重ねていらっしゃるおかげで
たくさんの難病の方が長生きできるようになりました。
しかし、社会が難病の人を受け入れる体制を
整えられていないと感じています。

5/23は難病の日(※4)です。
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\難病のひとりぼっちをなくす/
難病daysエリ

SAIJO難病カフェ メンバー一同

※4 難病の日とは?
2014年5月23日に
「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が
成立したことを記念して、
JPA(一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会)が
毎年5月23日を「難病の日」に登録(2018年2月26日)しました。
患者や家族の思いを多くの人に知ってもらう機会とするのが目的です。
「難病の日」について – 一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 (nanbyo.jp)


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