両親が離婚した時、ついでのように、サンタクロースの正体が明かされた。面倒なことは全部話してしまえ、と思ったのだろうか。
秘密は、話してしまう方が簡単だ。
他にも、伏せておくべき話をぶっちゃけたり、裏の意図を先に言ったり。
それが一番楽だ。
だが、聞く側にとって、それは必ずしもプラスの情報ではない。
墓まで持っていってほしいこともある。
『逃げるは恥だが役に立つ』のドラマ(第5話)でもそんな話があった。
契約結婚が百合さんに疑われたときの、いっそ正直に言うしかないのでは、というみくりさんに対する平匡さんのセリフ。
百合さんに正直に話してしまったら、みくりさんは楽になるかもしれませんが、今度は百合さんが辛いんじゃないですか。百合さんが本当のことを知ったら、妹の桜さんに嘘をつかなきゃいけなくなるし、それはつまり、百合さんに罪悪感を肩代わりさせるということです。僕たちの罪悪感は、僕たちで背負うしかないんじゃないでしょうか。
逃げ恥は、"逃げられないこと"にもたくさんフォーカスしている。
事件が起きて切羽詰まったときに、逃げてはいけないラインを引いていく。この場合だと、自分たちの後ろめたさや罪悪感を自分たち以外に渡してはいけないという決意。この判断は、惚れますね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?