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強いコンテンツを更に強くする、祭り化

なんぼー:りょかち、最近忙しいの?

りょかち:そうですね〜仕事が頑張り時なのと、あとは今シーズン、見たいドラマもアニメも多すぎて……!

なんぼー:りょかちらしいね。注目してるのは何なの?

りょかち:アレコレあるんですけど、なんぼーさんがツイートしてた『チェンソーマン』は間違いないでしょうね。ものすごい気合の入りっぷり。

なんぼー:最近の集英社の “コンテンツを祭り化する運営力” はすごいよね。今回、アニメのエンディングが毎回変わるっていう演出も話題になっていて。しかもメンツが、Vaundy、ずとまよ、ホルモン、People1。

りょかち:オープニングは米津玄師ですしね。旬の人たちしかいない!(笑)

なんぼー:すごいよね。チェンソーマンは原作からカルト的な人気があるし、制作会社も実績があるし、アニメ化ってもう、約束された神作品じゃん。こういった作品をさらに盛り上げるための「祭り」をつくるのがすごい。

りょかち:面白いですね。見られづらい作品を宣伝するのではなく、見られる作品をもっと楽しくするという。

なんぼー:元々、アニメのエンディングのあとに一枚絵『エンドカード』を流す風習がアニメにはあるんだけど、それで、アニメ原作の漫画家とは別の人気漫画家がエンドカードを書いて話題になるっていう事例はあったんだよね。だけど、今回はさらにそれが強烈になってるよね。

りょかち:エンディングに工夫を凝らすといえば、坂元裕二さん脚本の『大豆田とわ子と三人の元夫』も話題になりましたね。毎回代わる代わる違うラッパーが出てきて、出演者とともに歌ったエンディングを歌うという。

この時も、トラックメーカーはSTUTS、ラッパーとしてKID FRESINO、BIM、ゆるふわギャングのNENEが参加して、日本のヒップホップ好きは沸きました(笑)

なんぼー:昔『SPEC』というドラマでも、主題歌の「波のゆくさき」が毎回違うアレンジで放送されたんだよね。

りょかち:なるほど。エンディングに工夫を凝らすっていうのは、本編と関係あるけど、話の筋に影響を与えるようなものではなくて、すごく良い手法ですね!

なんぼー:今ってやっぱり “情報量が多い” っていうのがトレンドなんだよね。エンディングもそうだし、話題になる種があればあるほど盛り上がる。エンディングの工夫はまさに、話の筋だけでなく別のモノを話題化することで、情報量をあげていく施策だと思ったね。

りょかち:情報量。確かに、今は “常に話題になっている” って大切ですよね。

なんぼー:そうそう。だから有名ブランドも最近、メディア化しているよね。マクドナルドが桔梗信玄餅とコラボした商品を出したり、ファミマブラックサンダーシェイクなんかもあったりしたよね。

りょかち:ハイブランドも、ジブリコラボをはじめとしてアニメとコラボしたコレクション出してますね。

なんぼー:今はりょかちも言ったとおり、常に話題になっていないと、埋もれちゃうんだよね。今は情報はハイスピードで流れていくから。だから、情報の手数が大事なんだけど、どうしても自社だけだと情報量が足りなくなってしまう。そういうときにコラボは効果的だと思っていて。

りょかち:なるほど。確かに、自分たちのブランドだけでずっと新商品を出し続けるのはしんどいですよね。

なんぼー:情報発信は自分たちが話題になるだけじゃなくて、ファンが発信してくれるのも効果的じゃん。だから、ファンがいるコラボはぴったりだよね。

りょかち:またチェンソーマンの話に戻りますけど、米津玄師が歌ったオープニングテーマ『KICK BACK』は、印象的なフレーズでモーニング娘。の「そうだ!We're ALIVE」から「努力 未来 A BEAUTIFUL STAR」というフレーズを使ってますよね。あれはハロプロファンとして思わず話題にしたくなっちゃいました。

なんぼー:あれも見事なコラボだよね。モーニング娘。が好きならもちろん話題にしたくなるし、そうじゃない人でも誰もが覚えているフレーズだし。

りょかち:最近はK-POPでもこういったサンプリングを活用した曲が多いんです。BLACK PINKの『Shut Down』は『ラ・カンパネラ』、IVEの『After LIKE』は『I will survive』をサンプリングしていて。それによって米国で話題になっています。

だけど今回の『KICK BACK』は、「努力 未来 A BEAUTIFUL STAR」というフレーズに対する皮肉というか、ストレートな使い方じゃなくてクールでちょっと恐怖を感じる仕上がりだなと思いました…!

なんぼー:「努力 未来 A BEAUTIFUL STAR」というフレーズに詰まった気持ちや文脈も含めて引用している感じだよね。「チェンソーマンでそのフレーズを言うの?」っていう意外性も、チェンソーマンのコンセプトにぴったり。

りょかち:でもめっちゃ耳に残っちゃいます。そして「そうだ!We're ALIVE」も歌いたくなっちゃう!

なんぼー:カラオケでまた「そうだ!We're ALIVE」歌う人も増えるかもね。

りょかち:つんくさん自ら発信されているのを見て、背景を知ることができたのもヲタクとしては嬉しさがありました。

なんぼー:つんくさんがnoteでこの件について発信しているのもすごく上手な情報の広がり方だったよね。一つの曲にこれだけたくさんの情報があるなんて。

りょかち:情報量もそうだし、関係者を増やすコンテンツ作りがうまい……!ヲタクとしてはやっぱり、より一層忙しくなりそうです(笑)


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