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「反脆弱性」を身につけるために “アレ” をたのしむ

あやちゃん:これまでは、何度も旅に出ることで、どんどん旅で楽しめることの可能性が広がっていくって話をしたんすけど。

なんぼー:そうね。「『やると決めて、繰り返しやる』ことで、可能性や解像度を高めていく」話って感じかな。

あやちゃん:その話の中で出てきた「不確実性を楽しむ」って話も面白いなと思いました。

なんぼー:海外旅行は不確実性を簡単に楽しめるところがいいところだよね。

あやちゃん:ふむふむ……。

なんぼー:少し前に大木さんとの対話でも話したことなんだけど、海外旅行では、「予想もしないこと」が沢山起こるんだよね。

なんぼー:常識も言葉も食事の味も違う中で、例えばグルメだとめちゃくちゃ美味しいものもあればびっくりするほど口に合わないものもある。不確実性の低い日本で暮らしているときに予想している範囲を超える、振り幅の広い体験を得られる。

あやちゃん:確かに、日本での暮らしにも慣れているのもあるし、日本は特に安全で何もかも美味しいから、予想外のことってあまり起こらないっすもんね。

なんぼー:そうそう。だけど僕は、この不確実性に触れてもっと不安になっていかないといけないと思っているんだよ。

あやちゃん:不安にならないといけない、って面白いっすね!

なんぼー:僕が大事にしているというか——よく考えている概念に「反脆弱性」っていうのがあってさ。英語だと「ANTIFRAGILE」なんだけど。

あやちゃん:ルセラフィム……!

なんぼー:そうそう(笑)その曲が有名だよね。たぶんその曲名も僕が読んで衝撃を受けた、ニコレス・タレブの本から引用しているんじゃないかと思っているんだけど。

あやちゃん:ひゃー!上下巻!

なんぼー:長い本ではあるんだよね〜。まあ、もし興味があったら一気には読めないから少しずつ読むのがオススメ。簡単に説明すると「脆弱」の反対は「頑強」ではなくて「反脆弱」っていう話をしているんだよね。

あやちゃん:なるほど。

なんぼー:少し抽象的なイメージになるけど、例えば「脆弱」な状態だと、何か外から衝撃を受けたときに簡単に壊れてしまうんじゃないかと心配になってしまう。では反対に衝撃を受けたときに壊れないように動きにくく硬くすればいいかっていうと、今の時代はそうではないっていう話で。

今は変化が激しい時代だから、例えば外からの衝撃として「風」に備えたけれど、その後すぐにやってきた「雨」には弱かった、みたいなことがよく起こるんだよね。

あやちゃん:「これからの時代はインバウンドだ!」と思って旅行者向けレストランを始めたら、コロナになって海外旅行ができない状況になっちゃった、みたいな話っすかね?

なんぼー:おお、あやちゃん、例え話が上手!まさにそういうこと。環境が常に流動的に変わっていくからこそ、「反脆弱性」——その変化に対応していく柔軟性こそ大事って話なんだ。

あやちゃん:それはすごく納得しますね。今の時代の生き方って感じ。

なんぼー:そうだよね。だからこそ、この「反脆弱性」を身につけるのが大事だと思っていて。これも前に対話した気がするけど、常に人生にカオスをもたらすようにしているんだよね。

なんぼー:キャリアで言えば、会社やめて独立したのもそうだし、会社員時代も部署を意識的に変えていくようにしていたし。

あやちゃん:へー!意識してキャリアをカオスにするってすごい。

なんぼー:でも、キャリアを通して経験やスキルを複数手に入れようとする流れは結構色んな人が感じているんじゃないかな。昔はさ、終身雇用が普通で、色々なことをやっている人って批判の対象だったじゃない。

あやちゃん:そうっすね。一つのことに集中しろ、みたいな。オータニさんも、昔なら批判されていたのかも。今は「二刀流」でスゴイってなってますけど。

なんぼー:ありえるよね。今はもはや「ずっと同じことやってて大丈夫?」って心配になる時代。

あやちゃん:ほんとそれ!常に先を考えるし次のステップを考えなきゃいけない。常に種まきをして新しいことに挑戦しなきゃいけない。

なんぼー:そうしなきゃ、今自分のやっている仕事がいつかなくなってしまうかもしれない。投資と同じで、スキルやキャリアも分散投資が大事。

あやちゃん:キャー!「AIに仕事を奪われる」とかも最近よく聞くもんなあ。怖 !

なんぼー:とはいえ、キャリアに関しては、ちょっとずつ違うことをするのも良くないと僕は思ってるんだけどね。何か一つ、自分の幹になるようなスキルは必要だと思うよ。

あやちゃん:難しい〜!たとえばなんぼーさんなら、マーケティングっすか?

なんぼー:そうね。そういう、いざとなればその領域で他と差別化して戦えるスキルを持っておくことは重要。幹になるスキルが有れば、隣り合う領域でも戦えるからね。例えば、マーケティングなら、ブランディングもできる、とか。

あやちゃん:なるほどなあ。そうすれば、マーケティングがダメになっても、他の領域で活躍できますもんね。

なんぼー:そうそう。だけどマーケティングがダメになっていない時点では、隣り合った領域ができるのは当たり前で、他の人と差別化できないんだよね。だからこそ、飛び地になっているようなスキルや経験をするのも大事。

あやちゃん:確かに。例えば、マーケティング×テコンドー、とかあんまりいなさそうっすもんね。

なんぼー:そうそう。不確実性やカオスの話に戻ると、キャリア以外にも、探索的に色々なカテゴリの本を読んだり、色々なことに挑戦したりするようにしていて。海外旅行もその一環なんだよ。

あやちゃん:じゃあ、去年でもう海外旅行は慣れちゃったから次のチャレンジをするんですね。

なんぼー:そうね。海外旅行では「行く」ってことはだいたいマネージできるようになったけど、見知らぬ国に行くことは引き続きカオスをもたらしてくれるから、海外に行くことは続けるとは思うけど。

あやちゃん:面白いなあ〜。私、思いもよらない事が起こるのあんまり好きじゃなかったっすけど、なんか新しい挑戦がしたくなりました!

なんぼー:いいね!今年もはじまったばっかりだし、新しくて慣れないことに挑戦して「カオス」や「不安」を楽しめるようになろう。


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