「勝ち負け」をなくさずに、負けに絶望させない方法
東谷:この間の記事で、りさちゃんとゲームの話してたじゃん。なんか昔のこと思い出して懐かしくなったわ。
なんぼー:誰しもゲームに熱中した思い出ってありますよね。
東谷:なんか昔のファミコンゲームとかって、「理不尽なクソゲー」って結構あって、今やそれがネタとして笑い話になってんだよね。
なんぼー:懐かしいですね。今でも結構検索すると、「名作クソゲー」結構紹介されてますよ。
東谷:そうそう。今って結構日常で理不尽が許されなくなっている傾向があるけどさ、ゲームの中でのあの「お前、ダメでした!」って言われて「くっそーー!!!」って本当に悔しくなる体験、時々恋しくなるんだよな。
なんぼー:でも最近少しずつ、そういう、いわゆる「死にゲー」と言われるゲームが人気になる事例もあるんですよ。最近だと、フロムスクウェアの『ELDEN RING』とか。
東谷:なんかすごく売れたゲーム?聞いたことある気がする。
なんぼー:このゲームは久々に難しくてびっくりしましたね。フロムスクウェア自体が、「死にゲー」と言われるような難易度高いゲームで有名な会社なんですよね。
東谷:いいね。りさちゃんとの話で言っていたとおり、世の中が “優しい世界” だからこそシビアな瞬間を求めている人もいるのかもね。でも、自分で言っといて何なんだけどさ、今更「死にゲー」やって、全部やりきれるかな〜。あんまり自信ないかも。
なんぼー:僕も実は「死にゲー」って言われるジャンルはそこまで好きじゃないんですよ。だけど、この『ELDEN RING』が面白かったのは、自由度が高いところ。いわゆる「オープンワールドゲーム」と死にゲーがかけ合わさっているのが新しい世界観で面白かったですね。
東谷:ほうほう。
なんぼー:圧倒的理不尽を与えてくるのが “死にゲー” の特徴じゃないですか。でも、オープンワールドゲームであることで、頭をひねれば打開策が思いついたりする。
東谷:はー、なるほどね。それは面白そう。
なんぼー:例えば、超でかくて強い敵がいて、まともに立ち向かっても絶対に勝てない、という状況に追い込まれたとしても、もはや戦わないという選択肢も選ぶことができたり。あとは限界まで離れて、遠くから少しずつダメージを与えていく、という方法も選べたりするんですよ。理不尽を発想で打開するのが面白いんですよね。
東谷:それって、YouTubeで攻略動画がたくさん出ている時代にぴったりでもあるね。
なんぼー:まさにそうなんですよね。「俺はこうやった」という事例が山ほど出てくる。情報量が多いので、ノリでYouTuberが攻略法を出せるものでもないし、攻略方法も決定版がないし、理不尽に対するカウンターが沢山あって面白くて。
東谷:俺もやってみたくなってきたわ。それにしても、こういう難しいゲームって勇気がないと出せない作品だからすごいね。
なんぼー:ピュアにゲームを楽しんでいた頃を思い出しました。
東谷:やっぱり “勝ち負けを突きつけられる” って根源的にはエンタメなんだよきっと。
なんぼー:それでいうと、”勝ち負けをつけない” ということをせずに、勝負をマイルドにしている事例も出てきてるのかなと思っているんですよね。
東谷:どういうこと?
なんぼー:例えば、ApexとかPUBGって、参加者がすごく多い中勝者は1人。たとえばPUBGは参加者が100人もいるんですよ。つまり、負けた人のほうがおびただしい数いるんです。だから、10位以内に入っても、「勝った」と思える状態なんですよ。「勝ち」の定義が少し変わっていると言うか。
東谷:確かにね〜。最後の5人とかまで残れるのでも結構満足感あるよね。
なんぼー:もちろん、1人で残れたときの麻薬的な嬉しさはありつつ、負けもマイルドになっているんですよね。バトルロイヤルはすごく良い仕組みになっていると思います。
東谷:なるほど。
なんぼー:あとは、スプラトゥーン3が最近発売されたのをプレイしてみたんですけど、負けたときのBGMが少し明るくなっていて、これも良い試みだなと思いました。スプラトゥーン2では、負けたときのBGMがかなり暗くて、僕もそれが嫌で離脱しちゃったんですよね。
東谷:スプラトゥーンは負けるとかなり悔しいらしいね。「発狂動画」みたいなのYouTubeで見たことある。
なんぼー:とはいえ、スプラトゥーンの “勝ちの定義” も少し変わっている気がしてて。スプラトゥーンの勝敗は「敵を倒す」ことでは決まらない。これがシューティングゲームとしてはかなり画期的だと思うんですよ。
東谷:確か、基本的にはフィールドを沢山塗ったほうが勝ちなんだよね。 “塗った面積” で勝敗が決まると。
なんぼー:そうなんです。だから、チーム戦で、たとえ全然敵を倒せなくても、フィールドをしっかり塗っていれば勝ちに貢献できる。もちろん突き詰めれば敵は倒さなければいけないんですけど、逆に言えば敵を倒しているだけでは絶対勝てない。これが爆発的に多くの人に請けいられた要因の一つだと思ってるんですよ。
東谷:勝ちに貢献できる方法が複数あるっていうのはすごく面白いね。
なんぼー:あと、”負けの定義” についても話すなら、『大乱闘スマッシュブラザーズ』は、負けたキャラが悔しそうにしてるんじゃなくて、勝者に拍手してるんですよね。
東谷:オー懐かしい!確かにそうだったね。
なんぼー: “勝ち負けをつけない” じゃなくて “敗者にバツをつきつけるのではなく、勝者にマルをつける” というアプローチが良いなと思いました。
東谷:なるほどね。 “勝つのを楽しくする” と “負けに絶望させない” が両立できる取り組みはいいね!
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