見出し画像

生かされていることを教えてくれる学校



僕の教室はね、

緑に囲まれて、その隙間から日の光が差し込んでカーテンを作っている。

鳥が歌うのに合わせて、木々がざわざわと音を奏でてコーラスをするんだ。

それに合わせて、みんなで手を繋いで歌を歌うのがいつもの日課だよ。


晴れのひは、空気がとっても気持ちいいよ。

生きていることにちゃんと感謝していると、

太陽の先生が機嫌いいんだ。

でも、少しでも生きていることをサボると、

太陽の先生は悲しんでしまう。


でも、雨のひも必要な時間だ。

もうそりゃびしょ濡れになっちゃうんだけど。。。

みんなでびしょ濡れになって一緒に泣くんだ。

太陽の先生は、生きる道しるべを教えてくれるよ。

生きるって大変だよね。

すごく悲しくて辛くて、心までずぶ濡れになって雑巾みたいにボロボロになっちゃうんだよ。

雨の日だって、風の日だって、いつも生きなければいけない。

だけど、きっと

そのさきに必ずでっかい笑顔の光を降り注いでくれるから

みんなで一緒に乗り越えることができるんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


僕のクラスには仲間がたくさんいるよ。

心優しいホンちゃん、ちょっと怒りっぽいドンちゃん。

いつも笑っているニコに、みんなのまとめ役のヨシくん。

みんな性格も違うし、好きな子も違う。

肌の色も、目の色も、髪の色も違うんだ。

みんな生まれた地域も、国も、全然違うよ。

言葉も違うはずなんだけれど、ここでは通じ合うんだ。


森の先生はね、授業でよく言う。

「ここでは違うことが素敵なことだ」ってね。

木は葉っぱも枝の分かれかたも、大きさも背の高さも全て違う。

風の先生が来たときの反応も全て違う音を奏でてハイタッチする。


僕にはどういう意味かわからなかったんだけど。

隣の学校では、みんな同じ服を着て、同じような髪型をして

それがちょっとでも違う人に「意地悪」をしちゃう人がいるってことを聞いたんだ。


うーん。僕にはやっぱりわからないや。

ホンちゃんも、ドンちゃんも、ニコも、ヨシくんも。。。

僕にはないいいところがたくさんあるんだもの。もちろん悪い部分もあるだろうけど。

みんなが成長の仕方も、生き方も違うから、より大きくて色とりどりの豊かな森になるんだもの。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここには一つだけルールがあるんだ。

同じ服を着なきゃいけないとか、髪型はこうしなきゃいけないとかそんなことはここにはないよ。でもね、


「相手のいいところを探して、愛してあげる」


ってことは守らなきゃいけないんだ。

そうしてあげるとね、相手との壁がいつの間にかなくなって

言葉は通じないはずなのに笑顔で一緒にバカやったり、

一緒に泣いたり、苦しい思いもシェアして、

そのさきの新たなパワーをもらうことができるんだ。


そんな授業を毎日ここではやっているよ。

先生はどこって?


先生はここの場所全てだよ。


緑、光の木漏れ日

太陽くん、ホンちゃん、ニコ、ドンちゃん、ヨシくん。

そして、僕のカラダ。


全てが僕に教えてくれるよ。

生きるということを。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


みんなの学校はどうなんだろう?

うまく息ができずに、うつむいている人もいるって聞いたことがあるよ。

苦しくて、辛くて、本当に大変なこともあるよねきっと。


ある日、いつも笑うニコが笑顔をなくしてしまったことがあるんだ。

うまく息ができずに、教室のすみでうずくまっていた。

僕たちは何も言えなかった。どうしていいかわからず、ただ見守るしかなかったんだ。

みんなもそんな時はない?大好きな友達が元気がなくて、でも原因が分からなくて、どうしていいか分からず、オドオドしてしまったこと。

僕たちが戸惑っていると、風の先生がやってきた。


     〜〜〜〜〜〜ブワァァァア〜〜〜〜〜〜


僕の髪の毛をフワッと持ち上げ、鼻の穴に風が自然と入ってきた。

いい香りだった。

僕たちは思いっきり、鼻から息を吸って、口からフウウウウウウウウと吐いたんだ。

ニコも思わず顔をあげた。

心地よい暖かい風がニコの顔を覆った。

ニコも同じように息をした。

何度か一緒に繰り返すと、ニコも上を向くようになった。

いつもよりうは晴れやかではなかったんだけど、どこかに忘れていた

笑顔を向けてくれたんだ。

風の先生はいった。

「先生と、共存するのであれば先生はいつでも助ける。

でも自然に感謝しない、自分が生きていることに感謝しない

そんなんだったら僕は勇気が出る風なんて送らないよ」


今、木々や海や空の美しさも汚れているみたい・・・。

うまく息ができないのは、自然に意地悪してないからかもしれないよ。

自然の力を大事に、思い切り感謝して、息をさせてもらうんだ。


ここではそんな当たり前のことも教えてくれるよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こんどはちょっと怒りっぽいドンちゃんの話をするね。

ドンちゃんはいつも少し眉間にしわが寄っている。でもたまに笑顔を見せるのが素敵なところだよ。

怒っているのにも理由があるんだ。

ドンちゃんがいつも怒るのは、「ありがとう」と「ごめんなさい」を言わないとき。

ヨシくんが、ドンちゃんに頼み事をしていたんだけれど、

ドンちゃんがやり終えて、ヨシくんに声をかけたとき、

ヨシくんはクラスのみんなのことで頭がいっぱいで、

ドンちゃんにありがとうを言わなかったんだ。


ドンちゃんは怒った。

ヨシくんはなだめるために謝った。

それがいけなかった。

ドンちゃんはヨシくんにつかみかかり、取っ組み合いの喧嘩になった。


みかねた嵐の先生がふと教室にやってきた。

風の先生とは違い、立っていられないほどの風。

二人は取っ組み合いをやめて、近くにあった木にそれぞれ必死につかまった。クラスメートも同じように。もちろん僕も。

雨に打たれ、前が見えなくなった。

轟音の中で、それぞれの耳元にささやく。これが嵐の先生の教えかた。

「感情を持たなければ何も意味がない」

と、嵐の先生は身をもって教えてくれた。


嵐の先生が過ぎ去ったあと、ヨシくんはドンちゃんの目を見ながら謝り、

そして「ありがとう」と呟いた。

ドンちゃんもうなづき、二人は手をつないだ。


ありがとう、も

ごめんね、も

どっちも大切な言葉で、

絶対に感情がないとダメだよね。本当に相手を思う感情だよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


こんな風に僕はここで生きている。

ここは僕に生きていることを教えてくれる場所だよ。

そして

生かされていることの感謝を教えてくれたんだ。


今、目の前にいない相手に苦しむことだってたくさんある。

ネット?っていうのが流行っているよね。当たり前に日常にあると聞いたよ。

でも、それよりも目の前の相手や自然や、何より自分のカラダを

愛してあげることも必要なんじゃないかな?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いつかここにも遊びに来てよ。

誰でも歓迎だよ。大人も子供も関係ないよ。

心が少し落ち込むとき、悲しいとき、

息をするのがしんどくなった時には


一休みしにくるといい。


生きるってことがいかに貴重で、大切で

感謝すべきことなのかを

自然の先生たちやクラスメートみんなが教えてくれるさ。


僕は地球で、生きている。

一生懸命息をして、

たまーにひとやすみしながら。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?