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かっこつけたい欲

たまに、電車の窓の反射を利用してかっこつけてる青年に遭遇します。
自分を愛する姿は美しい。冗談ぬきに彼のような人たちを尊敬しています。わたしにはできません。なぜなら、自分を愛している姿を人に見られるのが恥ずかしいから。こういう話をすると、そんなこと気にしても意味ないよ!と言われますが、だめ。どうしてもだめ。

今日、飛行機に乗ってでも飲みにいくべきコーヒー屋というのに行きました。混雑していたのでテイクアウトにしたのですが、お店の雰囲気がなんとも妙でした。オシャレな友人宅のような居心地の良いインテリアで、お店自体はとても素敵なのですが、同じような服装(マガジンハウス系コスプレ野郎と呼んでいます)のお客さんが所狭しと、息を殺してくつろいでいました。ミーハーなので話題のスポットには顔を出すのですが、そういう場所が、どうにも苦手です。本当はまったく別の姿をしている人たちが突然変異でそうなったみたいな感じがして、薄気味悪くて。
ライフスタイルを持つことへの憧れが高まっているように感じます。ライフスタイルで自己表現をする欲望というのでしょうか。そういう「かっこつけたい欲」が、とても不健康に感じます。電車の窓にむかってキメ顔している青年のほうが、よっぽど素直。素直であればあるほど、まっすぐな愛を見つけられるはず。借り物の姿でかっこつけても、いつまでも物足りないままなのではないでしょうか。

かく言うわたしも不健康な自己愛を持っています。異常な自己愛を内に秘めているので、せめて表向きくらいサラリとしていたい。鏡で自分を見る姿も見られたくない。それがわたしの「かっこつけたい欲」です。巡り巡って自分に攻撃されているのです。人の目ばかり気にしている性分が日に日に露呈していますが、誰だってコンプレックスありきで生きています。今日遭遇した量産型も、自分だけのこだわりがない恐怖を抱えているのかもしれません。
中身と外見は、イコールです。ありのままに、強く生きよう。

また明日。

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