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方言を話したい

電車の中で、何を言っているのかまったく理解できない団体がいました。方言にそこまで詳しくないのですが、おそらく東北の訛りかと思われます。5〜6人の団体は何かの話題に夢中になり、笑い合い、すてきな時間を過ごしているようでした。

勤務先の会社は本社が関西にあるため、社内には関西弁を話す方ばかり。特に上司はテレビで聞くようなコッテコテの関西弁を話すので、打ち合わせで社外の方と話していても、つられて関西弁が出てきてしまう方も多くいらっしゃいます。関西弁にも地域によって微妙にちがうらしく、関西弁をきっかけに故郷の話題などで盛り上がっている姿を見ると、少しうらやましい。

関東出身者、しかも神奈川県という超微妙な土地柄、方言と呼べるようなものが「〜じゃん(横浜)」とか「〜じゃんかよう(海沿い西寄り)」とか「〜だべ(中居くん)」とかしかないので、しゃべっている人に出会っても、特に感動もありません。「いいじゃんそれー」とか、普通に県外の方も使っていますし。例えばロシアへ旅行に行ったとして、「よぉ、赤の広場よくね?」「いいじゃんかよぉ!いまから行くべ!」とか聞こえてきたら、もしかして同郷の人かな!?と嬉しくなるかもしれませんが、渋谷で聞こえてきても心に何も響きません。戦争映画でも出てきますよね。「おまえその訛り…出身はどこだ?」「□□州だ」「おぉ!○○学校の△△を知ってるか?」「知ってるもなにも、おれの兄貴の友達だぜ!」みたいなやりとり。方言や訛りから、そんな話題が紐付いて出てくるカルチャーに憧れるのです。

共通言語というか、大げさにいうとその地域に限られる母国語のようなものを持てると、帰る場所がちゃんとあるぞーという意識を今よりもっと持てていたんじゃないかなと想像します。世界には何百というその地域特有の言語があって、時の流れと共に風化し言語数の減少が進んでいるそうですが、自分のルーツを辿れる「方言」や「訛り」は、立派な文化だと思うのです。いつまでも残っていってほしいな。標準語しゃべれたって、なんもないですから。

また明日。

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