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「音」の中

人間にとって重要な感覚に、視覚と聴覚がある.視覚というのは主体的で,自分である程度操作できる.瞼を閉じれば周りの環境からの視覚情報の入力を拒むことができる.しかし,耳にはその情報を拒否することができるものがない.

私達は母親のお腹の中にいた時から,そして眠っている時も、絶えず周りから押し寄せてくる音を受け入れる生活を送っている.たぶん生命を受け,耳という構造が作られた時から死ぬその時まで私達は音を拾っているのだろう.

考えれば音の中に生きている事に気づくが意識しないと常日頃聞く音の中に生きているという自覚をすることはまずない.だから,ふと聞き慣れない自然の不規則な音や,まだ聞いたことのない音を聞くと聞き慣れない為に意識をし,聞くが聴くになり,その音に意味を持たせるのだろう.そうやって人は外側から内側へ自分の中に音を残していってる様に思える.

ほら今日も何となく聞いていた音楽もいつの間にか好きな曲となり,私はいつの間にか口ずさんでいる.

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