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仕事になる「好き」と、娯楽の「好き」

「ななちゃん、何が好きなの?何にワクワクするの?」
という質問に悩まされた1年。この質問は本当に苦手だ。仕事にするほど好きなものはないし、興味があるものも、仙人みたいなファンを前にしては「そこまでではないのかも」という気持ちになる。

そんななか、前職の同期 ひなが書いたnote は共感しかなかった。好きなことを自信を持って言えない人や、好きなこと難民の人はぜひ読んでみて欲しい。


かくいう私の”好きなこと”は、「考えるプロセス」や「好きな人と共有する時間」だ。
「好きなことはなんですか?」「読書です」を分解すると
「好きなことはなんですか?」「頭を使う難しい本を何周もして作者の意図を考えることです」になる。
旅行も好きだが、一人で行くほどでもない。「好きな人と新しい物をみたり、長時間移動にする会話が好き」。けど、いつもシンプルにして、「旅行です!🐱」という。

これはこれで、好きなこと、の答えとして良いでしょう。
私が苦手意識をもつのは、「好きなことを仕事にする」という時の「好き」。先の書いた「好き」と全く違う物だと思う。どう違うのかずっと考えた1年でもあった。前置きが長くなりましたが、そのまとめをつらつら書いてみます。

<書いてあること・まとめ>
・「好き」の定義は、外的な報酬に依存せずとも自分の内側からやりたいと思うこと
・「好き」には、仕事になる好きと、そうじゃないものがある
・「好きを仕事に」が叶うのは「自律性・有能感・人間関係」
・「好き」になるために、まずは継続
・「好きを仕事に」を叶えるため、2021年の山口は「継続」をテーマに頑張る

今年はアウトプットを頑張る、と思ってたけど、もう挫折しそう。


「好きになる条件」


「好き」には仕事にまで発展する「好き」と、ただシンプルに「好き」が存在すると思う。前者は、仕事なので社会に価値を出すことが前提となる。アウトプットして他者に価値を与えるような行動だ。後者は、5感で心地良い刺激を感じるような行動である。分けてみたが、表裏一体で後者を突き詰めた結果前者の仕事につながる好きに発展していくこともあるだろう。

①アウトプットして他者に価値を与えるような行動
 例)「好きなことを仕事にしている」状態。
②5感で心地良い刺激を感じるような行動
 例)音楽を聞く、本を読む、映画鑑賞、漫画を読む

この②が①に変わる時、「好きを仕事に」が叶うのだろう。この変わる瞬間は、心理学の定義が個人的に面白かった。

心理学的に「好きなこと」の定義は「内発的動機:外的な報酬に依存せずとも自分の内側からやりたいと思うこと」とされる。『人を伸ばす力―内発と自律のすすめ』では、心理学者のエドワード・L・デシ氏が、内発的動機が高められる要因、好きになる条件は「自律性」「有能感」「他者との関係性」の3つを上げているのがオモシロイ。

 自律性:他者にコントロールされない「自分らしさ」を追求。自分の行動は自分できめる。
 有能感:自分の行動が周りに認められ「できる人間」という感覚が得られること。表彰されるとか
 他者との関係性:他者と繋がってる、と思える関係性

この3つが内的動機がたかまる要因になる。逆にこの3つのどれか一つが阻害されると、モチベーションを保つのが難しくなるらしい。

有能感は分かりやすい。「これ私すごいのでは!?」と思うと、好きになるという話。ただ有能感は、ある程度の能力を持っているのが前提。と、なると「始めた」段階では有能感を得るのは難しいよね。私も2020年に「やりたかった好きなこと」をPJTでやってみたが、上手くいかず結局続かなかった。そんな、やりたいことではなかったという結論にした。でもこれって自然だよね。有能感を阻害している状況だから、内発的動機付けが低下してやる気がなくなってしまうわけだ。

始めた瞬間から「好き」になる人は、有能感を持ってることの方が多い。例えば背が高いからバスケで有意になる。わたしは合唱で腹筋を鍛えてたから、カラオケが好きになる、とか人生で努力した結果何かの道に開くこともあるのでしょう。

でも能力を得るためには困難がつきもの。例えばピアノを弾くのが好きな人は、音楽を演奏できる能力がある。でも弾けるようになるまで、何回も繰り返し練習する。継続的な練習をして、初めて好きかどうか判断できる。継続すれば好きなことになるかもしれないのに、最初の一歩でつまづいたから「これは違う」と判断するのは、あまりにもったいない。

始めた当初、有能感を得られず「好きなことじゃなかった」で離脱し、別のことを始める。このサイクルに入ると、好きなこと難民になっていく。「できなかった」経験ばかり増えてくのは、避けたいところでもある。

アウトプットとインプットの「好き」

②の好き、は気軽で、「5感で心地良い刺激を感じるような行動」はたくさんある。知覚能力さえあればOK。山口は部屋を真っ暗にして、ヒーリング音楽流して蝋燭をみてるのが好き。できればずっとそうしてたい、、、

けど、「好きなことで生きていく」という場合、この「好き」では難しい。なぜなら「仕事は他者に価値を与えて初めて成立する」からだ。つまりアウトプットが前提。一方「5感で心地良い刺激を感じるような行動」はインプットが多いと思う。宝塚をみる、美味しい物を食べる、本を読む。

これらの「好き」を仕事にするには。他者に価値を与えるには。仕事にするまで極めるとなると、様々なスキルが必ず必要となる。「好きを仕事に」はそんな簡単な上手い話じゃない。

継続した先に見つかる「好きを仕事に」

内発的動機づけの高められる条件に「関係性」がある。その行動によって優良な人間関係が構築できる場合、能力がなくても好きなことになることはある。でも他者に依存する部分が大きいし、良い人間関係が築けるかは運次第、でもあるという。

結局のところ、仕事につながる好きなことを見つけるには継続することが大切になる。自分でコントロールできるのは継続して反復して能力を獲得することだけだからだ。
また、そういった人の方が結果的に良い人間関係を築ける可能性が高くなるのだろう。

有能感を感じることができず、好きなことを求めて次から次へと新しいことへ移っていく。好きなこと難民から抜け出し一歩踏み出すには、「継続と努力が必要」。言うだけは簡単。2021年の山口のテーマは「継続」にしていく。

始めたことが楽しく感じられないのは、まだ有能感が満たされる段階ではないからという前提に立つ。こう考えれば「とりあえず興味を持ったことは続けてみよう」と思う。それが、蓄積された先に、能力が発揮され有能感が満たされ、初めて「好きなこと」という感覚が得られると願ってみる。

私には、まだ仕事にしたいほど「好きなこと」はない。けど見つけたい。だから、2021年は「継続」をテーマに、好きになるまで努力をしてみます。

終わり

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