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普段アニメを観ない人にこそオススメのアニメ3選

映画は大好きだけど、大人になってからアニメを観ることはほとんどありませんでした。ハマり出したのは去年の3月。ロックダウンが始まって、3ヶ月間お家に缶詰めになった時でした。

ちょうどフランスのNetflixに日本のアニメが充実し始めて、エヴァンゲリオンの初代アニメシリーズを観て大興奮!今までアニメのこと正直馬鹿にしていたと思います。ごめんなさい。アニメってめちゃくちゃ面白いじゃないか!と開眼して以来、玉石混交いろいろ観ました。


アニメって現代に生きる文学なのではと思い直しました。私は小説が好きだけど、しかしどれくらいの人が小説を習慣的に読むのだろうかと思うと、たとえどんなに素晴らしい文学作品でも果たして今日の社会に一体どれくらいのインパクトを与えられるかと考えてしまいます。もちろんそれでも文学には絶対的な存在価値があると信じていますし、たとえ一人にしか読まれないものでも、その一人に何かが伝わるなら存在意義はある。

一方、アニメという表現の世界的伝播力。ひと昔前だと海外でアニメを観るのは一部のコアなファン、もしくはジブリがみんなに人気だなあくらいのイメージでした。しかし今日ではもうアニメはオタクだけの専売特許ではありません。フランスにいるとアニメを観る人の幅広さに驚きます。アニメはもう誰もが目にする一般的なジャンルの1つに昇格したようです。映画館へ行っても頻繁に日本のアニメが上映されています。こうして人気のアニメとなれば日本だけでなく、世界中に影響を与えることができるのだなと、メディアとしての力強さと今日性に言いようのない可能性を感じます。


という訳で、かつての私のように、どうもアニメには惹かれないなあという方、アニメってどうせ子どもっぽいんでしょと思っている方、そしてミニスカートで巨乳の女子しかいないのが苦手という方にもぜひ興味を持ってほしいので、普段アニメを見ない方にこそオススメのアニメを紹介します!


1.『映像研には手を出すな!』

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女子高生3人が手描きでアニメを作る物語。

これは全てのクリエイティブに関わる人、そして創作したいという何かを胸の奥に抱えている人、創作を愛する人、みんなに観てもらいたい大名作です。学生だった頃の夢や有り余るほどあったエネルギー、ワクワク感の全てが詰まっていて、大人になった心をもう一度焚き付けてくれる作品です。

第一話、みどりとツバサ、ふたりの描いた絵が合わさって"最強の世界"を垣間見る瞬間はお世辞じゃなくて本当に心震えるほど感動しました。ぜひ、まずは第1話を見てほしいです。

主人公は、世界観・設定にこだわるみどり、人物描写・動きにこだわるツバサ、そしてアニメーションには全く興味がないけれどマネージメントに長けた金森氏。三人の性格や特徴がそれぞれ違いバランスが良く、どの存在も重要で、エピソード毎に各々の背景が深掘りされていく構成もうまい。

あとアニメって音楽がダサかったり、萌え系って言うんですかね?絵のタッチがどうしても好きじゃなくてそれだけでもう耐えられないという方も多いと思うのですが、今作は音楽や効果音のセンスが良い!絵もブリブリしていなくて、ビジュアルに邪魔されることなく集中して観ることができます。



ちなみにThe Guardian誌でエルヴィス・コステロも『映像研には手を出すな!』をおすすめしていますよ。



2.『四畳半神話体系』

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森見登美彦の同名小説のアニメ版。「薔薇色のキャンパスライフ」を夢見るも一回生のサークル選びのせいで不毛な大学生活を過ごす主人公が何度もサークル選びをやり直す並行世界的超早口青春アニメ。

原作は未読で、森見登美彦作品は『夜は短し歩けよ乙女』しか読んでないのですが、それでもこのアニメにはあの独特な森見登美彦節が見事に映像化されていると感じます。

タイムループ系作品では変えること、変える努力をすることに価値を見出す作品が多い中、本作はその真逆を行く快作。あのとき他の選択肢を選んでいれば、と思ったことは少なからず誰でもあるはず。でも本当にあの時違う選択肢を選んでいたら、何か変わっていたのか?おそらく他の道を選んでも何も変わらなかったでしょう。所詮自分で選んだ人生、繰り返しても同じ。でもその変わらなさにこそ自分という存在が反映されている。失敗だと思っていた選択肢に愛着が湧くような、どうせ変わらないということに、かけがえのなさを感じられる素晴らしい作品です。初めの数話は繰り返しで長々と感じるかもしれませんが、ぜひ最後まで見てほしい作品ですし、最後まで見てこそ本当に良さの分かる物語です。ラストへと繋がる爽快感はお見事です。




3.『音楽』

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高校生がバンドを組む物語、と言うともうすでに何百何千と同じテーマの作品があります。決して目新しい主題ではありません。とくに何かが起こる訳でもありません。でも空気が良い。

奇を衒うのではないのにオリジナル。同じテーマでも伝え方、切り取り方、見せ方のセンスによって物語は何百倍も印象的になる。作家に独自のスタイルがあれば語り尽くされたテーマが生き生きと蘇る。ほのかに笑える間の取り方も素晴らしい。

特にフォークロックバンド古美術が古武術の演奏に感動するシーン。音楽に圧倒される感覚の抽象表現に魅了されました。

映画『リンダリンダリンダ』が好きな人には特にオススメです!




以上、この3作は特に普段アニメは見ない、小説や映画の方が好きだという方にも楽しんでもらえる作品ではないかと勝手に願っています。

ちなみに『進撃の巨人』と『ハンターxハンター』も寝食を忘れるくらいドハマりしました。どちらも二周はしたし、原作も読みました。この2作はどちらかと言うとアニメよりも原作漫画の方が好きです。アニメーションとしての表現というよりは、物語の構造の深さやキャラクターの魅力が秀逸でハマってしまった作品です。一方上記でおすすめした3作は物語性以外にも、アニメという表現を生かした斬新さや美しさに目を見張るものがあります。ただ絵が動く以上の、アニメーションとしての表現の幅広さや工夫を感じられるところが面白い作品です。

私はアニメ歴1年ちょっと日が浅く、まだまだ知らない名作大作がたくさんあることだと思います。いわゆる萌え系な絵はやっぱり苦手だけど、それ以外でこんなの面白いよ!という作品があればぜひ、教えてくださいませ!


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