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#マンガ

いま読んでいるマンガ

『違国日記』を読んでいます。どこかでタイトルは聞いたことがあったけど、読んでいなかった漫画です。最近、実写映画化されたためか耳にする機会が増えて、手に取ってみました。 主人公は女性2人。15歳の少女が事故で両親を亡くし、作家で独身の叔母に引き取られるという物語です。 試し読みで数話読んでみたところ、あまり惹かれるものがありませんでした。むしろいかにも繊細っぽくて優しそうで、ちょっと苦手な空気感。 このまま読み続けるべきか、どうしよっかなーと迷い、感想コメントをちょこっと

知的好奇心を揺さぶる 『マンガは哲学する』

マンガと哲学って絶対に面白い組み合わせ!とワクワクして手に取ると、裏表紙の説明文に惹かれ、序文を開いて既に大共感です。中途半端にまじめな話に嫌気がさすが気持ち、すごくわかります。期待を裏切られない大満足の一冊でした。 存在や自己、夢や人生、世界や時間についてのこんがらがる哲学的問題や問題提起の仕方を、噛み砕いた言葉と的確なマンガの引用で深めていきます。筆者流・物語の哲学的な読み方vs文学的な読み方の違いも面白く、知的好奇心が揺さぶられます。マンガの世界ってこんなに豊かだった

創作物はどこまで道徳的に”正しく”あるべきか

先週公開された『ゴールデンカムイ』の最終話を読んで以来、作品を巡る賛否両論の意見を眺めつつ、果たして創作物とはどこまで道徳的に正しくないといけないのか、ということを考えていました。 最終章はちょっとバタバタと終わってしまった印象で、ビール工場あたりまでが一番面白かったなあと思いますが、それでもやっぱり好きな作品です。今まで漫画に許されてきた表現やテンプレートに対する批判精神があり、しかも真っ向から批判するのではなく、笑いの中にアンチテーゼがあるところに作者はとても冴えている