『愛と死』武者小路実篤
久しぶりに読書して号泣しました。
武者小路実篤の『愛と死』は、誰かを愛する気持ちを衒うことなく、ときに読んでいて恥ずかしくなってしまうくらい純粋に書き上げた一冊です。タイトルにもあるように、愛と死の物語。すでに何世紀にも渡って幾度も小説の題材として取り上げられて来たであろう使い古された主題と単純なストーリーなのですが、だからこそ筆者の非凡なる才能をとくと味わえる一冊です。
さらに非常にわかりやすい日本語で書かれていることも特徴でしょう。こねくりまわした表現は一切ありません