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初めての全身麻酔

【これまでのあらすじ】
「宗教二世」として育てられた私だが、現実社会の中で信仰の矛盾を感じ、メンタルを病んでしまう。現在は生活保護を受けながら生き方を模索する日々。
そんな中、首に正体不明のしこりが出来ていることに気づき病院へ。さらに検査する為に入院・手術をすることになるのである。

入院生活2日目。
いよいよ手術の日。

タイトルにもある通り、初めての手術、しかも全身麻酔である。
手術が決まってからは麻酔医の面談を受けたり、啓蒙ビデオを見せられたりリスクの説明を受けたり、さまざまな準備はしてきたものの、やはり初めての経験なので、ちょっとナーバスになってたのは事実である。
事実、叔母は手術中にエコノミー症候群を起こして亡くなっている。
あれからまだ2年も経っていない。

治療の為とはいえ、人の手によって意識が無くなるってどんな感じなのだろうか

漠然とした恐怖が消えないので、マイミクさんに聞いてみた。
「お客様のなかで全身麻酔をされたことのある方はいらっしゃいますか〜?」

するといらっしゃった。
ありがたや。

そのマイミクさん曰く
「イチ、ニィ、サンでどうにでもなれー、て感じでしたよ」
とのこと。

なんか、それって
バンジージャンプっぽいな…

結局なるようにしかならないらしい。

そんな感じで迎えた今日。

手術台に仰向けになる。

酸素マスクを口元につけられる。

「今から、眠くなる薬入れますからねー
針入れますねー
チクっとしますよー」

薬剤がはいってくゾワゾワっとした感覚。

覚えてるのはここまで。




「手術終わりましたよー」

えっ、はやっ!!

麻酔が抜けきらないボーッとした頭で、そう心の中で呟いていた。

でも、その後が結構キツかった。
麻酔が切れてきてこみ上げてくる痛みと吐き気。
深呼吸して痰を吐き出したら、病室へ。
そこからしばらくは身動きが取れないまま、痛みが出たら痛み止めの点滴。
寒気が襲ってきたので毛布をかけてもらう。
右手にティッシュ、左手にナースコールのボタン。
痰が切れるまで深呼吸して痰を出す、それの繰り返し。

気がついたら心電図を取るための管や、傷口から血や汁を吸い取るためのチューブが取り付けられていた。
落ち着くまでの数時間はまるで生きた心地がしなかった。

麻酔に限らず深酒とか夢とか、醒めた後は苦しみが伴うものなのかも知れない。
宗教も一種の夢であり、麻酔のようなものだったのかな

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