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教育奮戦記#2 可能性に蓋してる自分

スタプロの本が出版された。
山崎先生から声をかけていただき、編著者として担当した本だ。
山崎先生は本当にすごい。
本の企画力、プロデュース力、チームビルディング、そのどれもが分厚すぎる。
編著者としての打診があったときに、きっと学びはたくさんあるだろうと思ってはいたが、その予想をはるかに超える学びの連続だった。

実際のところ、編著者という肩書きはかなりの重荷だった。教師歴6年の若造がすでに単著を出版してるような中堅、ベテランの先生方を相手にどうしたらいいのか分からなかったからだ。
ただ、ここが山﨑先生の上手いところで、上手い具合にぼくに裁量を渡して任せてくれたり、こっそりフォローしてくれたりしていた。だからこそ、なんとかやりきれた。

実際に出版してみて気づいたことがある。

それは、出版するということは圧倒的事実を持っている人だけに許された権利ではないということ。

出版となったときに、一番に考えたのが「自分なんかがそんなことしていいのかな?」という思いだ。自分の勤務校にはすごい先生がたくさんいる。技量的にも人間的にも圧倒的な先生が両手で収まりきらない。
自分の力量がまだまだだということがわかっているからこそ、「そんな自分が?」という思いがあった。
これは本が出た後もしばらく引っかかっていた。
けれど、出版セミナーとして有料セミナーを開催してみて気づきがあった。

講座を作っている途中で改めて「自分の大切にしていること」を見つめ直すとするすると言語化できていった。
自分はまだまだだと思っていたけれど、着実に自分の大切にしていることは形成されていっていたのだった。

それに、講座ではほんとに色んな先生がいた。技量的にも人間性的にも。自分とは全く違う方向性を持った先生もたくさんいた。
色んな方向を向く先生をみて、自分の向いている方向は自分だからこそ向ける方向なのだと思えた。

実はこのセミナーの前に篠原諒伍さんにメンタルコーチングをしてもらった。
そこで思ったのが、「自分は『修行が足りない』という言葉で挑戦から逃げてやしないか」ということ。
もちろん、まだまだ学ぶことつきないし、ほんと上には上がいる。
でも、それはどれだけ勉強したところで変わらないだろう。
「力をつけないと…」「力をつけたら…」
そう思っている間にチャンスはどんどん逃げていく。
現時点で自分が積み上げてきたものでどれだけ勝負できるかの連続なのだ。
それは出版に関しても、有料セミナーに関しても。
出版する中で、有料セミナーを開催する中で成長していけばいい。まだまだ実力がなかったとしても。

自分はどこまでも「完成された自分」を目指していたのだと思う。
圧倒的な自分。
でも、そんな想像は満たされるはずがない。
別に実力がどうこうあっても本を書いたっていいじゃないか。
有料セミナーで登壇したっていいじゃないか。
だって、それで1人でも「学びになりました」って言ってくれる人がいるんだから。
その1人に刺さればそれで十分。

わざわざ自分のやりたいこと、挑戦に蓋をしなくていい。
チャンスがあるなら飛びつけばいい。
失敗したらそのとき。

そう思うとまだまだ自分にできることはある。
セミナーの開催も本の出版もやりたいと思えば絶対できる。
このスタプロを通してその自信がついた。
要は、一歩踏み出すか踏み出さないか。
そんな当たり前のことを改めて実感した。

修行が足りないのはみんなそう。
足りてる人なんて誰もいない。
修行が足りないと謙虚にいることは大切だけれど、卑屈になっちゃいけない。
今。
今の自分が積み上げてきたもので十分戦うことはできる。挑戦することはできる。

ピカピカのあの人のような本にはならないかもしれないけれど、
ピカピカのあの人のようなセミナーにはならないかもしれないけれど、それはそれで現在地。

蓋は取れた。
無意識に自分にしてしまっていた可能性の蓋。

それがこのスタプロ本を通して学んだこと。
もっともっとやりたいことがある。
やってみたいことがある。
それを実現させるのが、今まで自分に色んなことを教えてくれた先輩方への何よりの恩返しになるはずだから。

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