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#7 私の履歴書〜友蔵との思い出〜(スペインワーホリ準備編)

もう第7話。

それなのに、わたしがどんな人なのか全く話したことなかった!!!
今回はスペイン話ございませんが、ぜひお付き合いくださいませ。

幼少期

クソほど人見知り。本当にどうしようもないぐらいの人見知り。近所の人に挨拶ができない。その人が家の玄関ドアを開けると鳴る鈴の音を聞くと、いなくなるまで待つ。いないと思って外に出たらいたり、私が家の前で遊んでいる時に鉢合わせたら最悪。とりあえず車の影に隠れにいく。露骨に隠れると傷つける気がして、仕方なく挨拶することもあったけど、とにかく逃げることしか考えてなかったなぁ。
実は今もちょっと残っている。小さい頃の感覚、記憶って恐ろしい。
「三つ子の魂、百までも。」と中学の時、細木数子が言っていたのはいつまでも忘れない。

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我が家は二世帯住宅。曾祖母さん、爺さん婆さん、両親、そして私と弟。
最大7人家族だったんだな。
人間が同じ家に7人も住んでるってすごいね、よく考えると。

その中でも、お爺に特に愛された。
お爺は私と公園によく連れて行ってくれた。雪が降ればソリ、一輪車も買ってくれた。謎のキティちゃんのミニミシンを買って、母親にえげつない嫌な顔をされていたな。
ちびまる子と、友蔵。とよく言われた。
ちょっと嫌だった。笑

5歳ぐらいの時、初めて自転車を買ってもらった。黄色い、小さな自転車。
多分私は、それに乗って遠くへ行ってみたかったんだと思う。
「ヨーカドーに行って、アイスを食べたい」とお願いした。

ヨーカドーには自宅から車で30分ぐらいかかるから、多分成人女性だって片道1時間はかかるだろう。
でもお爺、快諾。
多分、私の願いを叶えたかったし、何より自分が私と出かけたかったんだろう。

交通量の多い道路を避けて、土手沿いを走り続けた。細い道を一生懸命漕いで、疲れても文句は言わなかったと思う。何時間走ったのかわからないけど、いつかヨーカドーに到着した。
カラフルなチョコスプレーがかかったソフトクリームを買ってもらった。母親にはなかなか買ってもらえないから、特別美味しかった(と、思う)。

再び自転車にまたがり、頑張って漕いで帰ると、カンカンに怒った両親が待っていた。なんで怒っているのか当時はわからなかったけど、ようやく自転車に乗れるようになった小さな子どもと片道1時間はかかる道のりを旅したんだ。怒られて当然と母親とたまに笑う。
お爺、どのぐらい怒られてたんだろう。

多分、何も言わないで出てきたんだと思う。やるな、お爺!!
さらに明るい時間に出発したのは間違い無いけど、帰ってきたときは日が落ちていた記憶がある。

可愛い孫と出かけたい一心で、常識非常識が考えられなくなっていたのかな。
とにかく今でも忘れられないし、どんな旅行よりも思い出深い。
本当に近所なのに、冒険みたいだった。

そんなお爺は、今介護老人施設にいる。
とにかくおボケになられて、もう私のことはわからない。
でも私はいつまでもお爺を覚えている。
お爺の分まで忘れないでいようと思う。



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