としおのばら
デジタルハリネズミを購入して、今日も写真を撮った。
庭のラベンダーとか、枯れかけてるのだけど、日も暮れていたのでそんなのは写り込まず。
ふと、ばらを撮っていなかったことに気がついて、レンズを向けた。
今年はよく咲いている。
もう、頭が重くなって下に向き始めちゃっているけど、それでも立派だと思う。
これは祖父・利夫が30年以上前に、当時の住み慣れた土地から今の場所へ移ってきたときに植え直したそうだが、とにかく可愛がっていた。ばらの育て方は詳しかったし、こだわりがあった。
この間、テレビで紹介していたのだけど、ばらを切って、その切り口をバーナーで炙ると持ちが良くなると花屋が言っていて出演者は驚いていたのだけど、利夫は15年以上前にその技を私たちに披露している。
そんな利夫は、いま老人介護施設で離れて暮らしている。
認知症で、私のこともわからない。
きっと私が小さい頃に棘を触ってヒヤヒヤした顔とか、ばらの下でシャボン玉を飛ばしたこととかも覚えていない。
それでも私は、ばらを見ると、利夫を思い出す。
そして、いつも心のどこかで、もしかしたらばらの育て方だけはわかったりして、と信じている。