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歯磨き粉は虫刺され薬の味がした#自分のための覚書

最近、20代半ばにして親元を離れた暮らしを始めた。

どうやら自分の半径1m以内にも、まだまだ知らないことが山ほどあったらしい。数日ワイパーを掛けないだけでこんなに床に埃が溜まること、一回シャワーを浴びるだけでこんなに髪が抜けているのだということ、卵はゆで卵にしておけば長持ちするらしいのだということ。
初めて自分で選んだ柔軟剤の香りが好きな香りであったこと、100円ショップで買った収納ボックスがすっぽりきれいに収まったこと、そういう一つひとつがただ楽しい。
なんとなく買った歯磨き粉が虫刺され薬の味だったのは少し失敗だったけど、それすらもなんだか楽しい。

ふと、小学生低学年くらいの時に「我が家新聞」を毎月発行したり、よくわからない自作のキャラクターの絵本を作っていたことを思い出した。パンツをはいた怪獣、必殺技は自分のパンツのゴムをできるだけ伸ばしてそれをパッチンと放つこと。意味が分からないことこと上ないけど、夢中になって書いていたのだけは覚えている。

いつからかやるためにやるを積み重ねる日々になっていたみたいだ。
本を読むのもこの本を読みましたというために、
課外活動も、こんな活動をやりましたというために。なんだかスタンプラリーを制覇したいだけの人生みたいでつまらない、味気ない、全然自分が変容してない。

この新しく始まった暮らしの日々に、まだまだ開いていない扉がたくさんあるのかもしれないなあと、歯を磨きながら思ったのだった。




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