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猫がいてくれるということ

ねこと暮らしを共にして、2年ほどになる。

子どもの頃から動物を飼いたいという気持ちはずっとあったが、それが実現することは自分にとって憧れの芸能人と結婚するよりも夢のような話だった。

ねこがいてくれてよかったなと思うこと。

①いてくれるだけで生きられる

以上。

本当に、これ以外の言葉が出てこない。
マジでねこがいてくれてるから生きてる。いなかったら、分かんない、何してたんだろう、さすがにもう死んでたかな?

わたしは何に対しても責任を負うってことがとってもとっても嫌いで、要は面倒臭いことから全部逃げたい本当どうしようもないゴミクズって分かってるからこそ、子どもは当たり前に産まないって気づいたらもう決めてたし、そんな人間が「猫を飼う」というのも無責任にも程がある、ってずっと負い目に感じてた。

いろんな言い方はあるけれど---今は「縁」だと思ってるし、そう表現したい。
何でもっと早く出会えなかったの?って思うけど、その分この先長く一緒にいれるってことだね。

ねこがいてくれて、部屋を片付けられるようになった。人生で初めて掃除機を買った。床に物を置かなくなって、食べ物は特に放置しなくなった。

ねこがいてくれて、太陽の気持ちよさを知った。朝にちゃんと起きられるようになった。わたしが目覚めると気づいて枕元に来るのが愛しい。少し寝坊したら顔を叩かれるのも愛しい。
ねこがコロンとしている場所に一緒にコロンとなると、大抵暖かいとか風が気持ちいいとか、ねこは居心地のいい場所を見つける天才ってのをしみじみ感じる。

ねこがいてくれて、生きるってこんなふうにすればいいんだって教わった。ねこが嫌がることは全て理にかなっている、当然のことばかり。そしてねこが好きなことも同じ。
それを人間は理屈とか時間とか他人の目とかなんか色々ゴチャゴチャ難しく考えがちだけど、よく寝て、よく食べて、嫌なことは嫌って言って、楽しいことに夢中になって、ご飯が欲しかったら甘えた声出して、用が済んだら寝床に入って。
生きるって、本当はそれでいい。わたしはねこがそう生きられるためにちょっとばかり無理してでも働かなければいけないけれど。

ねこがいてくれて、明日を見るようになった。
もっといえば来年とかその先、ねこの寿命まで。
まだまだ生きるのは大変だけれど、死にたいって思ってばかりだけど、明日のことすらなーーーんにも考えてなかったのにねこがいてくれるだけで全部全部がんばれる。自分の健康管理がまず第一ってところから始まる。多分ちょっと可愛くなった。常に恋してるから。

ねこがいてくれて、とにかく可愛い。ねこ、かわいい。もう常に可愛い。家の中が可愛いに溢れてる。
疲れたときや悲しいときに寄り添ってくれる、なんてドラマチックなことは無いけれど、疲れてなくても悲しくなくても気が向いたら膝の上に乗ってくれる。かわいい。

ねこがいてくれて、本当によかったなあ。
これを読んでいろいろ思うことがある人はいると思う、でもそんなんどうでもいい、わたしんちの子が幸せなら何でもいい。

だから、もう負い目に感じるのは辞める。

ねこがいてくれて、本当によかった。
ねこが生きてくれてて、本当にうれしい。
わたしと一緒にいてくれてありがとう。
わたしなんかでごめんなさいって思わないようにするから、わたしでよかったって思えるようにするから絶対にこれからも。
今日、定期検診で動物病院のスタッフさんに言われたんだ、「あなたがいたらもうこの子はそれだけで幸せなんだよ」って。

ねこがいてくれて、幸せってたくさん無意識に言うようになった。
ねこがいてくれて、その重みも知った、けど、脅されてたほどじゃ全然ない。寧ろバカかこの程度の重みで嫌になってるならそもそも迎えてねえよ。
きっと重いくらいが丁度いいんだわたしって人間は。

ねこがいてくれて、今日も生きててくれてありがとうって、たったそれだけで頑張れる。
ねこがいてくれて、頑張る理由も、そしてそこから逃げない強さも、ぜんぶぜんぶまとめて貰った。

ねこがいてくれて、ねこの幸せを守ることができていると思えるときの自分のことは、少しだけ好きだと感じることができるようになった。
自分の存在意義。肯定できるところのない人間の、些細な自己肯定感、わたしじゃなきゃダメなんだって思わせてもらうごとに愛しくてありがたい。
ねこがいてくれたから、いてくれるから、ちゃんとしようって思えた。そして今もこれからを「ちゃんと」していくために頑張れている。

生かしてくれてありがとう。
いろんなことを教えてくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
生きててくれてありがとう。
大好きでいてくれてありがとう。
わたしに価値をくれて、きっとこの先も少しずつ自分の中に自分を許せる要素が増えて、絶対そうなるって決めてるし、そんな風に思わせてくれてありがとう。

この先、わたしの人生にねこがいない日は無い。
ずっと一緒にいられて本当に嬉しい。
それがどれくらいの長さであろうが、君がさいごまで幸せなら何でもいい。
そのためにこれからも全力を尽くす。

ねこがいてくれて、今日も生きてる。

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