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脱法薬物と元彼と戻れない過去

20歳~22歳くらいだったかな。
わたしは、初めて「浮気される」という経験をした。
元彼のスマホが画面開きっぱなしで置いてあって、ふと見たら「好き」みたいな内容のメールを女とやり取りしていて、その瞬間すら元彼の職業柄(色管なのかな)って現実逃避したくらいに信じていた。
いや、信じたかった。

浮気相手は、当時のわたしと同じ職場で、当時の元彼とも同じ職場で、プライベートでも仲良くしている女の子だった。
だから直接電話をかけることにした。
「彼と付き合ってるの?」という言葉に対し
「付き合ってます」と、返ってきたときに、やっと全てを理解した。
ずっとずっと疑惑でモヤモヤしていたことの辻褄が合って、頭の中がグチャグチャになった。
その女の子はその女の子で、わたしがその時点で2年以上元彼と同棲していたことを知らなかったから被害者なんだけど、女の嫉妬って醜い。その後何年もその子への憎しみは消えてくれなかった。

浮気の元凶というか、きっかけというか、まあ元々元彼はそういう人間だったのだけれど、敢えて共通の知人に手を出した背景に脱法ハーブの存在があった。
その頃は脱法物全盛期で、そこら中に売ってたし、よくニュースにもなっていた。

当時、人生に何の希望も抱けなくなった元彼が脱法ハーブに興味を持ち出したのがその浮気発覚よりも半年~1年前くらい。だったと思う。
わたしもやったし、二人でもやったし、でもいい思い出は何一つない。

初めて脱法ハーブを吸ったとき、座っていたんだけど身体が動かなくなって尋常じゃないくらいイライラして、体感でいえば15分くらいそうしていたあとにやっと何とかベッドに寝転べて。
そしたら一気に世界が幸せに満ち溢れて、布団の感覚全てが気持ちいい〜って感じで。

でもそうしてるのも束の間、元彼はハーブを吸うと絶対にセックスしたくなる人だったから、半ば無理やりそういう流れになって、不快な気持ちで仕方なかった。
舌の感覚がザラザラしていて気持ち悪い。ナカがどうなってるのか鮮明に分かって、そこに鋭利なものがぶっ刺される感覚が気持ち悪い。でも時間は飛び飛びになるし、身体の自由も効かないし、気持ちいいと気持ち悪いが相まる感覚が更に不快だった。
それから、「もうわたしは吸いたくない」と言ったけれど、結局何度か吸うことになり、でもどんどん自分の中ではソレが嫌になっていった。

唯一好きだったのが音楽を聴くこと。
脳の奥まで響いてくるのがめちゃくちゃ気持ちよくて、つまり、わたしは「キメる相手」として元彼が死ぬほど合わなかったってことなのかもしれない。

閑話休題。
そんなこんなでわたしが「もう絶対に吸って欲しくないし吸いたくない」って言っていた頃、徐々に元彼の帰宅が遅くなっていった。

仕事の都合で。誰々と遊んでる。車で寝てた。

その全てをきっと信じていたわけではない、当然ながら今だったら100%クロだと思って全部ぶち壊しにいくだろうけど、わたしの中に「浮気される」という可能性や概念そのものが無かったのだ。

結果、冒頭に戻り、
要は「わたしと一緒に吸えなくなったからその女の子がハーブに興味を持ち出したのがきっかけであとはなし崩し」だったらしいけど
どう始末をつけるのかって話も半年くらいダラダラ続き、その間にわたしはストレスと脱法物(どう生きてたのかは忘れたけれど多分ご飯を食べてなかったんだと思う)で30kg台まで痩せ、それはそれで怪我の功名だった。

結局わたしのところへ戻ってきた元彼は、その後脱法系のもの全て辞めたけれど、あの数年で一気に脳がやられたと思う。お互いに。

そして20kg近く痩せたわたしは、週に1~2回グラビアみたいな仕事で3時間程度の拘束で2~3万貰ったり、パンツ売ったり、チャトレとか、なんか物凄く適当にとりあえずを凌ぐような仕事しかしてなかったと思う。
外になるべく出たくなかった。薬の量が増えた。疑心暗鬼になることや発狂することも増えた。

でもまだどこかで、人生チョロいな〜って気持ちはあったんだと思う。

やっと外で働こうかなと思って北新地での面接を何個か受けた。東京でいえば銀座?高級クラブから安いスナックまである、大阪で一番の飲み屋街だ。
高級クラブに行くほど本気で仕事をやりたいわけでもなかったし、出来るとも思わなかったし、キャバクラは懲り懲りだったので、ラウンジだけに絞ってお店を探していた。

いくつか北新地のお店では働いたんだけど、その中でひとつ印象に残っているところがある。
北新地の一等地。クラブ寄りのしっかりとしたラウンジ。
わたしはそこに入って間もなく、そこのママからワンピースと靴をプレゼントしてもらった。

わたしはそれまで、「人生チョロい」ってどこか思っていたので、新人に衣装と靴をママが選んでくれて買ってもらえるって経験が"普通は基本的になくって、そこまでわたしに期待してくれてたって大人になってから分かる。

その後、ママが大切な時間を削って2時間くらい話を聞いてくれたり、「あんたはあたしの若いときに似てるよ」って言葉はとても嬉しかった。

でも、若かったから。ってのは言い訳だけど。

結局、ママの厚意を裏切って、お店を辞めたのです。理由は色々あったんだけどね。

そんなこんなで風俗に落ち着き、その頃に「嬢の裏垢界隈」を知り、そこでどんどん自分の社会的位置よりTwitter上の"常識"に囚われていくのだ。
今から3~4年前かな?
もう垢消しした相互、今何してるかわかんない、生きてるかどうかも分からないし、生きることから逃れられた子もきっといるんだろう。

でもあの頃、ほんと毎日毎分毎秒Twitterを開いて皆で騒いでたとき超楽しかった。
そして、今でも相変わらずわたしと仲良くしてくれてる相互のマイメン達、愛してる。

さてさて、そんなことで「人生どうにかなるっしょ」で将来のことなんてなーーんにも考えてなかった20代前半の頃、戻れるなら、きっと真面目に働いて今はわんこ様に慰めていただいて独りで楽しく生きてると思うよ。

気づくの遅すぎたね。遅すぎだけど、わたしの人生の中で一番若いのは今なんだよ
遅すぎることなんて、きっとない。大体。まあ半分くらい。努力次第では3/4くらい。


明日のわたし。
頑張って生きろよ。大丈夫だから。
お金は裏切らないでしょ?
やりたいこと、たくさんあるでしょ。
月収200万いってやろーぜこのコロナ禍でな。

もし、どうしても無理だったら、
まあ腐るほど風俗店はあるわけだし生きてはいけるからその間に痩せて単価あげよーぜ!
ポジティブが足りねーんだわお前。
なんでもかんでも悪い方に考えんな

そんな自分のことを斜め上くらいから見てるわたしへ。
そんな客観的意見や叩かれるかもなんて被害妄想、ネガティブな気持ち、全部忘れて酒飲もーぜ。
お前もたまには休めよな。

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