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瞼の向こう側の世界

眠っている状態と起きている状態だったら、眠っている状態の方が好きだ。時間の流れはあっという間だし、無駄なことを考えて落ち込んだり自分の情けなさに消えたくなったりしなくて済む。なのに眠りにつくことは難しくて、眠りにつくまでに毎日何時間もの時間がかかる。やっと眠ったかと思えばすぐに目覚ましに起こされる。 今日も眠れなくて文を書いているけれど、もう朝になってしまう。眠っている状態は好きなはずなのに、眠らなきゃいけないという義務感に襲われる。少し明るくなった窓は、僕に時間切れです

    • 自分を好きになる魔法

      数年前、高校を卒業した3月に私は人生で一個目のピアスを開けた。高校生までは、親や教師に縛り付けられて自由のない毎日。髪色やメイクといった容姿さえ自分で決めることが許されていなかった。私がピアスを開けたのは、そんな不自由な人生が終わった開放感とこれまで自分を押さえつけていたものへのちょっとした反発心からだった。最初は耳たぶに左右1つずつ、のつもりだった。しかしこの日から数年間の年月を経て、私の耳には多くの穴が開くことになる。 大学に通うようになり、たくさんの友達ができた。そ

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